日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20230323 「帝国市民」一斉摘発に関するドイツメディアの報道ぶり

 

前回(昨年12月)ほどの規模/話題性はないようですが、昨日ドイツ過激派組織「帝国市民」に対する一斉摘発が実施され、その際、特殊部隊員1名が銃撃で負傷したため、ドイツでも準トップニュース扱いとなっています。報道ぶりは以下の通りです。

 

  • 「帝国市民(Reichsbürger)」とは、連邦共和国とその民主的構造を認めない人々。2022年の憲法保護局監視対象は約 23,000 人(前年比+2千人)
  • 昨年12月の大規模一斉摘発では、「ハインリヒ13世」など幹部25名をクーデター容疑で逮捕。
  • ドイツ検察当局は3月22日、ドイツの8つの州とスイスの計20か所で家宅捜索を実施。5人の容疑者を狙い撃ちしたもの。
  • その際、バーデン=ヴュルテンベルク州ロイトリンゲンで、警察官1人が撃たれて腕に重傷を負った(命には別状なし)。
  • 銃撃犯(ライセンス保有)は逮捕され、殺人未遂容疑で現在拘留中。
  • ファイザー内務大臣は、帝国市民の武装解除(家屋内バリケードの撤去等を含む)を強力に押し進める意向。
  • 警察官への発砲は、当組織の危険さの証拠であり、変人集団程度に過小評価していてはいけない。
  • 精神鑑定などを含む保有ライセンス付与の厳格化を急ぐ必要がある(ハンブルクで銃乱射事件が起こったばかり)。
  • 他にも民主主義教育の強化、自由な議論の場の提供、フェイクニュース/ヘイトスピーチとの戦いなど、より多くの取り組みが必要。

 

<昨年12月の大規模摘発時の日本語報道例>

www3.nhk.or.jp

www.bbc.com