先ほどドイツ5大経済研究所の一角であるキール研(IfW)からドイツ経済予測のアップデートが発表されましたのでそのエッセンスをご紹介します。
●今年の実質GDPは▲0.3%とマイナス予想(3月の+0.5%から大幅下方修正)。来年は+1.8%と気持ち強め(+1.4%から上方修正)。
CPI予想は今年5.8%、来年2.1%と来年がかなり低め(→来年の実質GDPを押上げ)。
●実質GDPの四半期の今後の走りは、Q2+0.1%、Q3+0.3%、Q4+0.4%。
●サプラーチェーン障害、インフレによる消費低迷、根本的労働力不足(+足元病欠が異常に高水準)、コロナ対策終了後の財政支出減などがドイツ経済の逆風になっている。
●しかし、マイナス成長とはいっても名目成長は非常に高く、内容として悪くはない。コロナ後のキャッチアップの可能性はまだ大きく、製造業には高い受注残があり、雇用は堅調な上、賃上げインフレ低下で購買力が回復することなどが、経済を支える材料となる。
●内外主要機関予測一覧:最近、Q1の下方修正(前期比プラスゼロからマイナス0.3%へ)を受けて今年マイナス予想の発表が相次いでいる。
●確かに今後前期比+0.3%を3回続けても、通年ではマイナス0.1%成長となるので、プラ転は容易でない。
●マーケットのコンセンサスは、今年▲0.15%、来年+1.05%。