日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20230615 相次ぐドイツマイナス成長予想


先ほどベルリン研(DIW)からも最新景気予測の発表があり、ドイツ経済は今年▲0.2%のマイナス成長、来年も+1.5%とやや悲観的な内容となっていました。

明日発表予定のエッセン研(RWI)もGDPのヘッドラインだけ既に漏れ聞こえてきており、今年▲0.3%、来年+2.0%(冒頭図左から二列目)となっています。

これで本日はドイツ有力経済研究所が3つ揃って今年のマイナス成長を打ち出してきたことになります。

<ベルリン研予測のポイント>

  • 実質GDP:今年▲0.2%/来年+1.5%、CPI:今年5.9%/来年2.5%
  • 今年通年では小幅マイナス成長となるが、これは冬のリセッション(統計のゲタ)とインフレのせいであり、すでに回復は始まっている。
  • 昨秋のホラーシナリオと比べれば、かなりマシな着地になっている。
  • インフレ低下と賃上げによる実質所得の増加と、堅調な労働市場に支えられた個人消費の増加が、年後半の景気回復のカギとなる
  • しかし、インフレのリスクはくすぶり続けている。インフレ高止まりとそれに伴う金利上昇はドイツ経済の回復をさらに妨げる可能性がある。
  • 今年の失業率は若干上昇して5.6%となる見通しだが、就業者数の増加は続き、雇用の堅調は続く。
  • 輸出も輸入も伸びて、純輸出は成長にほとんど寄与しない見込み。
  • 輸出不振の主因は先進国の成長鈍化。但しほとんどのユーロ圏加盟国はドイツより強い成長を見せている。
  • コロナ後、ずっと縮小が続いてきた所得不平等が若干拡大した可能性が高い。
  • 低所得者層への給付金による支援と、環境やデジタル対応への投資を促進することが重要。
  • 2024年に財政政策がかなり引き締め的になる。インフレで税収増が続くはずなので歳出をあまり絞るべきでない。

https://www.diw.de/de/diw_01.c.875388.de/deutsche_wirtschaft_schwenkt_nach_rezession_langsam_auf_erholungskurs_ein.html