ドイツの野党(CDUの姉妹政党CSU)が肉・魚・野菜・果物・乳製品など基本的食材に対する付加価値税(現行7%課税)の撤廃を提案して話題になっています。実現すれば家族四人の標準世帯で年1,000ユーロ程度の負担軽減となる見込みです。これについてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。
- すべての国民が恩恵を受けることになるが、特に収入の大部分を食料に費やさなければならない貧しい人々に対する救済措置として有効。
- 食料品課税停止でインフレが大幅に低下したスペインと同様、ドイツでも高止まりしているインフレ率を押し下げられる。
- 高価な太陽光発電システムなど再エネに対して減税できるのであれば、リンゴ、バター、パンも同様に減税できるはず。
- 少なくとも年120億ユーロ(1.9兆円相当)の費用がかかる。CSUはそのファイナンスについて何ら提案をしていない。
- 3か月後に迫ったバイエルン州議会選挙に向けて一般庶民と農民の票を狙った安っぽい典型的ポピュリズム政策である。
- そもそもドイツでは、他国に比べて食費は既に安い。
【関連ご参考】標準税率19%ではなく軽減税率7%が適用されるもの
- 食材の大部分(但しレストラン等で提供される食事類は標準税率)
- 生きた動物
- ある種の木材
- 書籍・雑誌
- 整形外科用またはその他の病気の補助器具
- 美術品
- 歯科サービス
- 慈善・文化施設
- 鉄道輸送、タクシー
- 宿泊
ドイツの付加価値税(輸入品に対する課税も含む)は税収の3割強を占める大黒柱
★ドイツ経済全般解説
★ドイツ銀行セクター解説