日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20240124 ドイツ鉄道ストについてのドイツメディアの報道ぶり

Auf einer Anzeigetafel im Hauptbahnhof ist der Schriftzug "Bitte Aushangfahrplan beachten" zu sehen.

ドイツ機関車運転士組合(GDL)が、全独のドイツ鉄道で6日間のストライキに突入し、大規模な混乱と経済損失が発生していることについて、ドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。

  • 交渉の最大の争点は、労働時間の短縮(週38⇒35時間)。DGLは賃金目減りなしでの短縮を要求しているが、そもそも運転士不足に苦しむドイツ鉄道は対応に苦慮している。
  • GDLが4 回目のストに突入することはあらかじめ完全に予見できた。GDLのヴェセルスキー委員長としては、ライバルとして意識するEVGへのオファーより低いものは受け入れられない(下表ご参照)。
  • ドイツ鉄道は、GDLに資金を使わせて(ストの間は参加者に賃金が出ないので、労組がスト手当を支払っている)疲弊させ、妥協に動かそうとしているようにみえる。しかし、ドイツ鉄道側もスト中は大きな収益を失っている(手数料なしで運賃全額払い戻し)。
  • このままドイツ鉄道と組合に委ねていたら埒が明かない。公益が侵害されているので、そろそろ政治(運輸相や首相)が介入すべきだろう。
  • 最終的にはGDLが勝利することになるのかもしれないが、ドイツ鉄道会社は100%国有なので、いわば国民を代表して交渉を行っているようなもの。運輸相が動く正当な理由がある。
  • 経済損失は1日あたり約1億ユーロとされており、ただでさえしんどいドイツ経済にとって最悪の逆風となっている。

 

<関連交渉一覧>

GDLとしてはEVG(運転士以外の組合)の条件を大きく上回りたい(運転士は最も重要な人的リソースなのでそうであって当然)と考えている。

 

世論調査

鉄道のストに理解を示している市民は4割程度(農民の怒りに理解を示した7割よりはかなり低い)。

 

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