日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20240106 ドイツ鉄道ストへの備え

https://www.gdl.de/aktuelles/news/abschluss-mit-go-ahead-erreicht/

本稿では、再びいつ実施されてもおかしくないドイツ鉄道の本格ストライキへの備え方について、その背景も含めてご説明します。

昨年後半から鉄道をストでマヒさせているのは、鉄道運転士組合DGLです。鉄道関連では別途、運転手以外の職員組合EVGがあり、そちらは2025年3月末までの賃金協定を妥結済です(下表黄色網掛け部分)。

昨日DGLはドイツ鉄道以外の小規模地域鉄道会社(ドイツ鉄道より経営体力が弱く、これ以上のストによる損害に耐えられない)からかなり良い条件での妥結(2年で+17%の昇給+時短)を引き出しています(緑網掛け)。

残るは大本山であるドイツ鉄道との交渉で、こちらはまだ難航しています(青網掛け)。現時点では来週以降、本格的な全独48時間ストがいつ断行されてもおかしくない状況です。

GDLは、エリート/エッセンシャルワーカーである運転士は他の職員(EVG組合員)より厚遇されてしかるべきだ、と考えている一方、ドイツ鉄道としては深刻な人手不足の状況下で時短要求を受け入れづらく、交渉が難航しているという状況です。

 

本件(鉄道ストリスク見極め)を含む、ドイツのニュースをリアルタイムでチェックするには、こちらのサイト(Deutschlandfunk/ドイチュラントフンク)のニュース一覧ページが便利です。Die Nachrichten - Wochenüberblick

随時更新され、上から重要な順に並んでいるだけでなく、直近1週間分がチェックできるので、ちょっと出遅れて見逃したニュースもすぐに見つかって非常に便利です。

 

英語版はなく、ドイツ語表示だけなのですが、グーグル翻訳だけで以下のように十分いい感じ(誤解をほぼ心配することなく)に和訳されます。

万一ちょっと不安な場合は、いったん英語に倒して確認するとよいです。

GDL、ドイツ鉄道ストライキなどというキーワードを探しながら目を通すと、一番下のニュースがチェック対象であることが分かります。

これをクリックしてグーグル翻訳すると、以下のように表示されます。

www.deutschlandfunk.de

 

GDLとしては1/8(月)からストライキが可能ではあるものの、経営者側がこれまでより相応に踏み込んだ提案をしてきたため、それをじっくり検討し始めたということが読み取れます。今後数日以内に、

①「DGLが交渉に値しないとして拒否/スト実施を宣言」、

②「更なる条件改善のための最終交渉入り」、

③「(DGLが水面下で更なる条件改善を勝ち取って)妥結成立」

のいずれかに分岐していくものと思われます。

来週以降、出張や旅行でドイツ鉄道の利用を予定されている方々は、ドイチュラントフンクの当該サイトを随時このような手順でフォローしていっていただければと思います。

 

なお、今年のドイツにおける労使交渉スケジュールは以下の通りとなっています。

特に夏場のIGメタル(大幅賃上げ+週休3日制)、冬場の公務員(各種公共サービスマヒの恐れ)の動向に要注目です。

 

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