日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20240730 ドイツの気になるデータ5選(Q2GDP、インフレ率など)

①ドイツ第2四半期GDP速報~前期比▲0.1%と、ドイツ連銀や市場の小幅プラス予想を裏切った。下添グラフの赤線の通り、2022年以降はほぼ横ばい(ゼロ成長)の状態が続いている。但し、名目ベースでは前年比+4.3%と決して弱くない。

https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/07/PD24_289_811.html

直後にリリースされた経営者団体シンクタンクIW(@ケルン)の分析によると、ドイツ経済がマイナス成長に陥っている理由は以下4点(カッコ内は補足説明):

①企業の投資低迷(不確実性、エネルギー/労働コスト/金利面での負担増)
個人消費低迷(インフレと不透明感でブレーキがかかったまま戻らない)
受注の低迷(内需/外需ともに弱く、受注残の貯金がどんどんなくなっている)
輸出不振(地政学リスクの高まりに伴うグローバリゼーションの逆流)

www.iwkoeln.de

 

②ドイツ四半期GDPシミュレーション~今回過去に遡って新基準(2020年=100/従来は2015年基準)で計算され直している。コンセンサス並みの通年+0.3%成長の達成はほぼ絶望的。

 

③インフレ率(7月)~ドイツ国内基準のCPIベースで、前月比+0.3%/前年同月比+2.3%と市場予想比やや強めの上昇。欧州共通基準のHICPベースでは、前月比+0.5%/前年同月比+2.6%とかなりイマイチ。景気低迷下でも、インフレが下ブレる可能性が低いことを示唆。8月も前月比+0.3%が予想されている。

https://tradingeconomics.com/germany/inflation-rate-mom

 

④HICPシミュレーション~9月分まではベーシス効果のお陰で上がって見えにくいが、前月比が+0.2%以下に収まっているかどうかををより重視すべき。

 

⑤エネルギー国内小売価格~電気(緑)/ガソリン(赤)/ガス(紫)とも概ね横ばいで、前年比でも押し上げ要因にはなっていない。

https://www.zeit.de/wirtschaft/energiemonitor-strompreis-gaspreis-erneuerbare-energien-ausbau

 

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