
- ついに信号機が故障した。その対処は今後のドイツの運命を大きく左右する。
- ショルツ首相は、リントナー財務相罷免(後任は首相腹心のクーキース氏)にあたり、感情的かつ妙に立派な演説を行った。ずいぶん前からこの日のために準備していたと思われても仕方ない。
- 最近の左右の過激派/ポピュリストの台頭に対して、中道3政党がしっかり国を導くことができなかったという事実は、大変恐ろしいこと(米国を笑えない)。
- ショルツ連立政権はもう何ヶ月も前から機能しておらず、(対話せずメディア経由でお互いに喧嘩を吹っ掛けるなど)品位すら欠いていた。
- 誰もが連立終了の口実を探していた状況下で、トランプ再選確定がトリガーになったようにも見える。
- 連立崩壊の直接の原因となったリントナー財務相に対しては厳しい批判が多い:同氏はあまりにも長期間にわたり、卑怯で過激な挑発を繰り返してきた。首相はこの墓掘り人相手にこれ以上の時間を浪費するわけにいかなかった、など。
- 自党の政策に今一度拘ってみたい多くのFDP支持者たちは、不本意な左派的政策からの決別を喜んでいる。
- しかし、FDPがなぜ政権に入っては離脱するような演劇を何度も無責任に繰り返すのかについてはこの機会にしっかり自問した方が良い。
- ショルツ首相にも大いに責任がある。当初彼は、メルケル氏ほどカリスマ的ではないかもしれないが、実務に詳しい誠実な首相として結構期待されていた。
- しかし、難局に直面する度に彼はひどく青ざめたまま後ろに隠れていて、リーダーシップを全く発揮しなかった。
- ショルツ首相が自ら作り出したこういった真空状態を、リントナーその他の不満分子に利用されただけのようにも見える。
- Greenの有力議員たちも、ショルツ首相の指導スタイルが連立崩壊の原因だと最近公然と批判するようになっている。
- 新たな選挙が行われるまで、ショルツ政権は少数与党政権となる、ドイツでは、不信任投票に過半数を有する次期首相が必要なので、自分から信任投票に打って出ない限り政権は維持される。
- スカンジナビア諸国など、他国では少数与党政権がうまく機能している事例が確かに多数存在する。
- しかし、政権が既に破綻し、機能しないにもかかわらず、選挙をいたずらに先延ばしすることは許されない。
- ショルツ首相が信任投票を1月15日に、選挙を前倒し選挙を3月末頃に先送りしたいのは、恐らく来年3月2日のハンブルク州議会選挙でSPDが第一党を確保した後にして、SPDの党勢を少しでも回復させたいためだろう(下グラフ)。

- ショルツ首相から予算成立などへの協力を求められたメルツCDU党首(選挙後に次期首相となる可能性大)が、そういった協力は来週にも信任投票を行うことが条件とした。
- ショルツ政権延命の国益にかなう合理的理由は全く見当たらないので、この要求は至極真っ当。
- ドイツ国民の65%も来年3月よりもっと早く選挙にした方がいいとの考え。
- 今回と類似の状況は、連邦議会がメルケル氏を次期首相として用意した上でシュレーダー首相を「建設的不信任」とした2005年にあった。
- 選挙の約3か月前だったが、議会内の過半数組み換えだけで実現した(今回は無理)ので、少なくとも安定をもたらした。その後メルケル氏は16年間に及ぶ超長期政権を実現した。
- ショルツ首相がいつ自らの信任を問うことになるにしても、選挙は事実上既に始まっている。
- ヴィッシング運輸相(下添)がFDPを離脱して内閣に残った(元判事なので今後は法相も兼任)ことに対しては賛否両論:(理解)困難な局面での責任放棄に抵抗/党利党略より個人の信念を優先、リントナーFDP党首の党利党略/自己プロモーションに抗議、全国乗り放題割引切符実現に貢献/(批判)ドイツインフラの老朽化に対して無策、いずれ議席を失うFDPを見限っただけの自己保身(側近たちはついて来ず)。
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国民の半数が、上記ヴィッシング運輸相の居残りを「明らかに間違い」として厳しく見ている模様。

【主要メディアの一面トップ】
①ビルト紙:「一刻も無駄にはできない/首相は即時退陣せよ」

②ハンデルスブラット紙「独米政治権力に大地震」

③ヴェルト紙:4人のFDP閣僚のうち、一人(ヴィッシング運輸相)がFDPを離党して政権に残ったことに焦点

◆ショルツ首相はリントナー財務相に最後に一言「So. Doof.(ホント馬鹿だな)」と言い放ったとされているが、イーロンマスクはXで「Olaf ist ein Narr.(オラフショルツこそ馬鹿者)」と面白がっている。

【政権崩壊第一報】
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