日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20210831 メルケル首相が少しだけですが初めて選挙のために動きました

ドイツの政治家の中でダントツのトップ人気を誇るメルケル首相は、今季限りでの政界引退の決意が固く、これまで自身の後継関連の選挙戦には一切介入しないスタンスを貫いてきましたが、本日初めて、明確かつ強いショルツ/SPD批判に動きました。

副首相であるショルツ蔵相率いるSPDがCDU/CSUを支持率で上回り、TV討論会でもショルツが一番良かったと評価されている中、CDU/CSUが政権から追われる可能性が急速に高まっています。

党内から「こんなに苦しい局面でも首相が自党のために何もしないなんてありえない」という批判が噴出したため、メルケル首相は本日「左派党との連立を排除しない彼(ショルツ)と私の間には、ドイツの未来について非常に大きな意見の隔たりがある」というメッセージを国民に向けて発信しました。

Merkel attackiert Scholz: "Gewaltiger Unterschied zwischen mir und ihm" | tagesschau.de

 

ショルツは最近メルケルのトレードマークである「斜方形」(Merkel-Raute)を真似して雑誌の表紙に登場し、メルケル人気の「いいとこどり」を狙っていると話題になったところでした。メルケル政権への不満(これ以上の現状維持にはNO)はラシェットに、人気(現職ボーナス)だけショルツに向かっているねじれた現状に対する警鐘と言えます。

f:id:dateno:20210901013731p:plain