郵便投票を含めた開票結果や個別小選挙区の感触がつかめてきて、議席配分予測が大分収斂してきました。現時点でポイントをまとめると以下の通りです:
- ショルツ財務相率いるSPDが僅差ながらCDU/CSUを抑えて第1党の座を獲得
- CDU/CSUは第2党転落も、政権樹立に意欲。ラシェット首相率いるジャマイカ連立(CDU/CSU+Green+FDP)の組成を目指す(後継首相争いは続く)
- ラシェットが直ちに引責辞任を迫られる雰囲気は今のところないものの、党内基盤が一段と弱体化していることは確実で、月曜の党幹部会、火曜の当選議員会合、今後のゼーダーの動きに要注目
- Linke(左派党)は5%条項がクリアできるか否かの瀬戸際(赤赤緑実現不能)
- 連立の組み合わせとしては、信号機(SPD+Green+FDP)とジャマイカの2択に事実上収れん(大連立は国民に不評、SPD左派が拒絶)
- Green(SPD寄り)とFDP(CDU/CSU寄り)が共同キングメーカーに(政策面で最も隔たりの大きいこの2党による調整先行もありうる)
- 重要決定ができなくなるメルケル暫定政権/政治空白の長期化は誰も望んでおらず、新政権の早期樹立が望まれてはいるものの、3党による政策調整は容易でなく、新政権年内誕生は難しそうな情勢
【主要各党に対する一言コメント】
SPD:僅差ながら、第一党の座を確保。2州での州選挙でも勝利し、3戦全勝
CDU/CSU:最後に猛追し、ジャマイカに望みをつなぐも、歴史的大敗
Green:地球温暖化対策推進重視のキングメーカーとして政権参加へ
FDP:2回連続支持率2桁獲得で完全復活。経済重視のキングメーカーとして政権参加へ
Linke:社会的公平を望む支持層が大挙してSPDにシフト
AfD:筆頭野党の座から転落も、安定的コア党員層で支持率2桁維持
アフターメルケルでまず最初に明確になったのは、2大政党制の崩壊/中道4党による連立時代の始まり、ということかも知れません。まあ他の欧州諸国では既に多数の政党連立が当たり前になっていますけど。。。