つい先ほどドイツ連邦雇用庁から4月分のドイツ雇用統計が発表されました。
●市場が最も注目する季節調整後失業者数前月比増減は、+24千人と市場予想(微増)比やや弱め(失業者多め)の内容でした。
https://tradingeconomics.com/germany/unemployment-change
●連邦統計局は「景気がイマイチな割に雇用は底堅い」「ウクライナ難民以外でも失業増」などとコメントしています。
●昨年6月からウクライナ難民を失業者カウント対象としたため0.4%程度押し上げられていた失業率はしばらく上昇が止まっていたのですが、先月以降、ウクライナ難民要因以外の失業が少し出てきている模様です。
●4月時点でウクライナ難民の労働力人口は50万人、うち19万人が失業者となっています。非常に乱暴な推計ですが、先月、今月と増えた失業者計4万人強のうち、8割くらいはウクライナ要因以外によるものと思われます。
●就業者数(1か月遅れなので3月分まで)は、毎月0.1%程度ずつコンスタントに上昇し、過去最高記録を更新し続けています(4,572万人)。雇用の底堅さ自体は維持されています。
●雇用の先行指標である求人数(残高:上線)は、比較的高水準ながらもじりじりと減少が続いています。求人の新規流入(下線)が急に落ちてこないか、引き続き注視しています。
●オンライン求人数(青線)も最近やや軟化気味となっています(上述求人数残高と整合的)。
●企業アンケートベースの雇用先行指標であるifo雇用バロメータは、昨夏以降の軟化がいったん止まり、採用と解雇がバランスするくらいの水準(ちょうどコロナ前くらい)での横ばいが続いています。
業種別にみると、サービス業が引き続き採用に積極的でそれ以外は慎重とのこと。
●操短(勤務時間と給与を減らして雇用を維持するしくみ~給与は公的支援で一部補充される)については、コロナによる急増分をほぼ完全に解消しています。
景気悪化で労働投入が不要になってくると、こちらが真っ先に急増する(失業増加の先行指標となる)ので引き続き注視しています。
<データソース>
https://www.ifo.de/fakten/2023-04-26/ifo-beschaeftigungsbarometer-legt-zu-april-2023
https://www.dashboard-deutschland.de/comparative-analysis/pulsmesser_wirtschaft