年3回実施されているドイツ商工会議所(DIHK)の景気調査結果(対象:ドイツ国内中小企業21千社)が発表されましたので、使えそうなデータを一通りピックアップしておきます。
●総合的景況感:昨年のボトムから反発継続も、長期平均水準(水色)以下
●景況感DI(黄:製造業、黒:建設業、橙:小売・卸売業(商業)、青:サービス業)
現状は、サービスで上向き、建設、商業で下向き
期待は全業種で回復方向も、まだ水準は低い
投資意欲は全体的に回復中
採用意欲は全体的に横ばい(減らすのには慎重)
●金融環境:自己資本減少(1番上)、流動性不足(2番目)やや増加も、特段大きな悪化なし(6割が問題なしと回答)。クレジットクランチの影響は感じられない。
●今後1年のリスク:エネルギー価格問題は温暖化対策で永遠の課題化。人手不足や賃上げも共通の重荷。
製造業:①エネルギー価格、②専門職不足、③労働コスト、④国内需要、⑤経済政策
建設業:①エネルギー価格、②専門職不足、③労働コスト、④国内需要、⑤経済政策
商業:①エネルギー価格、②国内需要、③専門職不足、④労働コスト、⑤経済政策
サービス業:①専門職不足、②エネルギー価格、③労働コスト、④経済政策、⑤国内需要
●マクロ経済:今年ゼロ成長(建設が▲4.5%と不振)、インフレ+6%を予想
<本件関連日本語報道>
★なお、本件と直接関係ありませんが、ドイツ連銀の週次ナウキャスト(WAI)はGDP換算3m/3mモメンタムで前期比+0.8%とかなり改善してきています。上記のような(不安な)気持ちはともかく、実際の景気は結構堅調で、DAX高値更新の一因になっているものと思われます。