本日EU委員会から発表されたEU/ユーロ圏の経済予測(四半期毎にアップデート)のドイツ部分のエッセンスは以下の通り:
-
ドイツ経済は昨年のマイナス成長後、今年も+0.1%の成長にとどまる(2月予想比▲0.2%pt下方修正)。
-
資本財や中間財に対する海外需要の低迷がドイツの輸出の足かせとなっている。
-
エネルギー集約型産業(化学、ガラス、製紙など)の競争力低下もあり、純輸出の成長寄与は大きくならない。
-
インフレはさらに低下し、実質家計所得は回復を続ける見通し。消費者心理の改善と相まって、個人消費は2025年にパンデミック前の水準に戻ると予測。
-
過去数年間の投資活動の大幅な落ち込みの後、資金調達条件の改善(金利低下、貸出基準緩和)が想定されることもあり、2025年には投資の伸びが回復する。
-
本質的住宅不足を背景に住宅需要が高まり、今年下半期から建設業は回復へ。
-
昨年の労働参加率は83.6%(2022年83.3%)と過去最高を記録。
-
失業率はILO基準で3.0%前後と概ね安定した状態が続く。
-
経済低迷長期化を受けて求人率はやや低下しつつあるものの、依然高水準。高齢化の加速による人手不足が継続。
-
名目賃金上昇とインフレ率低下を背景に、実質賃金は既にプラスに転じており、今年、例年とも回復を続ける見通し。
-
インフレ率は、エネルギー価格低下一巡、インフレ抑制政策の期限切れ、高賃上げなどを背景に下げ渋るものの、今年通年では2.4%、来年は2.0%に低下。
-
2023年の政府債務残高(GDP比)は昨年の63.6%から今年62.9%、来年62.2%へと低下見込み。財政は引き続き極めて健全。
<EUの全体感>
日本については暦年ベースで今年、来年とも+0.8%成長、インフレは今年+2.8%、来年+2.2%を予想。
<日独経済日記>