ドイツの金融セクターは、日本の金融セクター同様、
①過当競争、②マイナス金利、③金融規制対応負担、④デジタル化対応
という逆風と戦い続けています。
<フランクフルト金融街の夜景>
その結果ドイツ金融業界全体がじわじわと弱っているのですが、メルケル政権はどちらかというと冷淡で、ドイツ経済がこれほど強大であるにもかかわらず、最大手のドイツ銀行やコメルツ銀行は青息吐息の弱り具合で放置されています(政府主導での両行合併は頓挫しました)。
ショルツ(SPD主導)政権下での金融セクター関連政策の方向性について、今当地で一般的に語られているものを以下簡単に整理しておきます。ドイツの金融セクターには概ね冷淡な政策がとられるものと覚悟しておく必要がありそうに思います。
- EU銀行同盟、統一預金保険の早期実現(ドイツ連銀/BUBA、貯蓄銀行/Sparkassen、Volksbankenなどが強く反対)
- EU資本市場同盟(金融市場のルール統一)の推進
- 金融機関のクロスボーダー再編推進
- ドイツのトップバンク(チャンピオン)育成
~但しドイチェとコメルツの統合は今のところ失敗 - 各種金融規制緩和には反対
- 金融機関への政府支援には(今まで通り)消極的
~金融界は大いに不満/このままではフランスに負けてしまう - EUR建デリバの大陸への移管(2022央まではLDNのEuro Clearingが維持)
- EUの共通財源としての金融取引税の幅広い導入