ショルツ首相のキエフ電撃訪問以来、ロシアからドイツへの天然ガス供給は、平時の4割程度に絞り込まれたままの状態が続いています。
EU全体で見ても、足元は平時の1/3以下の供給に落ち込んでいます。
ドイツの足元の電力供給においては、ガス(紫色)の石炭(茶色と深緑色)による置き換えが進まない中、悪天候で太陽光(上の黄色)がほとんど貢献できないところを、風力(水色)の奮闘が補っているような状況です。
<注:その後のアップデートでは、太陽光発電がかなり貢献し始めていることが確認できています>
冬場に向けたガス備蓄は少しずつ進捗してはいるものの、ロシアからこれだけ供給を絞られてしまうと、目標の9割達成(今年ひと冬越えるための備え確保)は非常に難しそうな情勢です。
ウクライナ危機勃発時点でのドイツ国内価格を100とすると、6月26日時点で
天然ガス132,ディーゼル122、スーパーガソリン105、 電力97となっています。
Energiemonitor: Die wichtigsten Daten zur Energieversorgung – täglich aktualisiert | ZEIT ONLINE
なお、ドイツ連邦統計局の今朝の発表によると、6月からスタートしたガソリン減税は、近隣諸国比で安めのガソリン価格実現に貢献しており、それなりに効果を上げていることが確認できます。
スーパーガソリン(E5、1リットル当たりの店頭価格、6/20時点)
ドイツ 1.97EUR (30セント強の減税の結果)
フランス 2.13
イタリア 2.06
スペイン 2.14
オランダ 2.36
ベルギー 2.11
ルクセンブルク 1.94
デンマーク 2.44
スウェーデン 2.16
ポーランド 1.70
チェコ 1.93
クロアチア 1.83