日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20220627 ドイツエネルギー状況モニタリング

ショルツ首相のキエフ電撃訪問以来、ロシアからドイツへの天然ガス供給は、平時の4割程度に絞り込まれたままの状態が続いています。

 

 EU全体で見ても、足元は平時の1/3以下の供給に落ち込んでいます。

 

ドイツの足元の電力供給においては、ガス(紫色)の石炭(茶色と深緑色)による置き換えが進まない中、悪天候で太陽光(上の黄色)がほとんど貢献できないところを、風力(水色)の奮闘が補っているような状況です。

<注:その後のアップデートでは、太陽光発電がかなり貢献し始めていることが確認できています>

 

冬場に向けたガス備蓄は少しずつ進捗してはいるものの、ロシアからこれだけ供給を絞られてしまうと、目標の9割達成(今年ひと冬越えるための備え確保)は非常に難しそうな情勢です。

 

ウクライナ危機勃発時点でのドイツ国内価格を100とすると、6月26日時点で

天然ガス132,ディーゼル122、スーパーガソリン105、 電力97となっています。

Energiemonitor: Die wichtigsten Daten zur Energieversorgung – täglich aktualisiert | ZEIT ONLINE

 

なお、ドイツ連邦統計局の今朝の発表によると、6月からスタートしたガソリン減税は、近隣諸国比で安めのガソリン価格実現に貢献しており、それなりに効果を上げていることが確認できます。

 

       スーパーガソリン(E5、1リットル当たりの店頭価格、6/20時点)

 ドイツ       1.97EUR (30セント強の減税の結果)

 フランス      2.13

 イタリア      2.06

 スペイン      2.14

 オランダ      2.36

 ベルギー      2.11

 ルクセンブルク   1.94

 デンマーク     2.44

 スウェーデン    2.16

 ポーランド     1.70

 チェコ       1.93

 クロアチア     1.83

Benzin und Diesel in den meisten Nachbarstaaten Deutschlands aktuell teurer - Statistisches Bundesamt (destatis.de)