日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20230129 ビッグマック指数WEBサイトでユーロの有難み(対円)確認

www.economist.com

 

毎年1月と7月の下旬に、英エコノミスト誌がビッグマック指数を公表しています。WEBサイトに非常に便利なインタラクティブツールが提供されているので、大変便利です。出ているのに気づいたら、ちょっとだけでも自分いじってみることをお勧めします(上の画像のタイトル部分がリンクになっています)。

私はドイツで生活しているので、見ようによっては常にユーロ円の大きな為替ポジションを抱えていることになります。生活費でユーロを全額使いきっているならあまり気にする必要ありませんが、余資運用分の規模と帰国想定時期によっては、レパトリ送金が必要になるかも知れません。私はこの指数が出る度に保有通貨の相対的バリュエーションをしっかり確認するようにしています。

 

トップページはこんな感じの見栄えになっています。

左コラムに通貨の割高さランキングが示されていて、1位は今回もスイスです。2位のウルグアイペソは年々順位を上げてきています。その後北欧の3クローネが続きますが、こちらもランキング上位の常連です。

              過去分はここ「↓」の年月を切り替えれば見られます。

右上を「GDP ajdusted」に切り替えると、所得(一人当たりGDP)水準で調整した後でどうかということが確認できます。


若干順位が入れ替わり、ウルグアイペソが52.7%過大評価でダントツトップに躍り出ます(割高さの具体的計算方法は常にグラフの下に説明されています)。

 

ちなみに対ドルおよび対ユーロの円は、原インデックスで見ても、GDP調整後でもすべて4割程度の過小評価となっています。

 

BREXIT後、何かと難題山積で通貨も売られ気味の英国の通貨ポンド(最近やや戻してますが)に対してだと、円の過小評価は3割強に縮みます。

人民元英米欧通貨に対しては2~4割程度過小評価ながら、対円では12~27%の過大評価になっています。中国からのインバウンドのブレーキにはなりにくそうです。

<以下念のため>

 

ユーロ圏のビッグマックが4.86ユーロ、日本だと410円なので、ビッグマック価格が示唆するユーロ円レートは410/4.86=84.36円。

実際のユーロ円市場レートは141.49円(エコノミスト誌の基準日時点)だったので、84.36/141.49=0.596 ⇒ 1-0.596=40.4%過小評価。

 

ビッグマック指数 - Wikipedia

ビッグマックはほぼ全世界でほぼ同一品質(実際には各国で多少異なる)のものが販売され、原材料費や店舗の光熱費、店員の労働賃金など、さまざまな要因を元に単価が決定されるため、総合的な購買力の比較に使いやすかった。これが基準となった主な理由とされる。」

「具体的には、たとえば日本でビッグマックが250円、アメリカで2ドルのときは、250/2=125となり、1ドル=125円 がビッグマック指数となる。もしこの時点で、為替レートが1ドル110円だとすると、為替相場ビッグマック指数に比べて円高であり、この後、125円に向けて円安が進むだろう、などと推理する。」