https://www.ecb.europa.eu/pub/economic-bulletin/html/eb202301.en.html
ドイツ経済分析のベースとなるユーロ圏の経済状況についてのECBの直近評価を本日リリースされた「Economic Bulletin」でざっと確認しておきます。
- ユーロ圏2022Q4GDPは前期比プラス0.1%と、12月のECBスタッフ予測を上回ったが、2022 年半ば以降の顕著な経済減速であることに変わりなし。
- エネルギー関連支援策は協調してうまくロールバックしないと(需要を喚起しすぎて)インフレ圧力となり、金融政策でより強い対応が必要になりうる。(ロールバックによるインフレ反動増にも注意が必要)
- 1月のHICP着地と今後のエネルギー価格はECBの想定を下回っている。
- 賃上げ圧力は高まりつつあるが、今のところECBの想定通りの走り。
- インフレもGDPもリスクは概ね上下にバランス(インフレ警戒やや緩んだか)。
- 利上げを受けて、銀行融資は企業向け、家計向けとも相応に減速。
- 3月理事会では50bp利上げし、その後はデータ次第(スタンス不変)。
- 各種債券購入プログラムは非常に慎重に圧縮する方針(スタンス不変)。
- 世界的な需要と貿易の減速を背景に、世界的なサプライチェーンのボトルネックは正常化を続けている(中国はゼロコロナ解除でいったん混乱しかけたが、その後戻している)。
- 世界のインフレ圧力は依然として高いままながら、すでにピークに達している可能性を示唆。
- 天然ガス価格は、12 月のECB理事会以降、世界的な需要の減速に加え、冬の比較的温暖な気候や効果的なガス節約策により、大幅に下落。
- 今後はインフレ率が急速に低下すると予想されており、長期的インフレ期待は2%付近での安定継続。