ナゴルノ・カラバフ(ドイツ語ではBerg-Karabach: ベルク・カラバハと音がかなり異なる)紛争で、アゼルバイジャンとアルメニアが停戦で合意したことについてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。
- アゼルバイジャンのアリエフ大統領は、ナゴルノ・カラバフ紛争での分離主義者に対する勝利を宣言した。
- ナゴルノ・カラバフのアゼルバイジャンへの「再統合」に関する協議が始まり、アルメニア人(同地区には12万人いる)の避難も始まっている。
- 停戦が合意されたからといって、惨状が終わるわけではない。アルメニア人追放や民族浄化の懸念はくすぶり続ける。
- 何十年にもわたって積み上げられた憎しみのため、アゼルバイジャンが同地区を統合するのは容易でない。
- 今後追放され難民化する同胞をアルメニアが受け入れる準備は全くできていない。
- 駐留ロシア軍(アルメニア側)は、同地区における政治的・軍事的な調停者としての役割を担い続けてきたが、完全に失敗に終わった。
- ウクライナ戦争で余裕がなくなったロシアがアルメニア支援で介入しなかったことに驚きはない。
- 以下の3つの理由から、ロシアには今アゼルバイジャンと敵対する余裕がない。
①アゼルバイジャンは、カスピ海を越えた武器輸送を含め、ロシアとイランの連携を容易に阻止できる。
②アゼルバイジャンは石油・ガス市場においてロシアと競合する。
③ロシアは黒海に閉じ込められることを避けるために、アゼルバイジャンの保護国であるトルコを必要としている。 - アゼルバイジャンは数か月にわたる同地区封鎖を経て、このチャンスを利用した。
- 伝統的にアルメニアと緊密な関係にあるフランスは、国連安全保障理事会の緊急会合開催を要請。
- ブリンケン米国務長官は、外交的解決策の模索に米国が参加する可能性を示唆。
- トルコのエルドアン大統領は、ナゴルノ・カラバフはアゼルバイジャンの一部でありトルコは領土の回復を支持する、と踏み込んだ発言。
- グテーレス国連事務総長は、戦闘の即時停止と2020年の停戦の厳格な順守を求めている。
<日本語報道例>
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