日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20230922 ハンデルスブラット研(HRI)、来年わずか+0.3%の成長予想

https://www.handelsblatt.com/politik/konjunktur/hri-konjunkturprognose-nullwachstum-wird-die-neue-normalitaet/29403798.html

 

独経済専門日刊紙ハンデルスブラットの経済研究所HRIがドイツ経済見通しをアップデートしましたが、上図橙棒の通り、来年のGDP予測がかなり弱気なものになっています(5大研が+0.9~1.4%であるのに対し、HRIはわずか+0.3%の予測)。

もともとこのHRIは突出して悲観的なことが多いので、5大研と同列に見ることは適切ではありませんが、今般の景気低迷局面では結果的に一番当たっていることになっています(但し今年の成長予想は、前回の▲0.7%から今回は▲0.5%に上方修正)。

HRIのリュリュップス所長はドイツ経済の低迷について、以下のような警鐘を発しています。

  • もともとあった構造的問題(人手不足、高コスト体質など)に加えてパンデミック/ウクライナ戦争という外的ショックで容体が大きく悪化した。
  • 中国は景気対策をするつもりがなく、経済低迷が長期化する。
  • 海外経済全体も弱めでドイツの輸出は今年も来年も減少し続ける。 
  • エネルギー危機は昨年上手く乗り越えたし、今年も恐らく心配ない。
  • しかしコスト高のため、エネルギー集約型企業は生産施設の海外移転を検討している。 
  • ドイツ経済はおそらく戦後史上最も困難な状態にある。
  • 今後のドイツは低成長(四半期ベースで前期比+0.2%程度の潜在成長率~他機関の推計とも整合的)に慣れる必要がある。 

 

四半期経済予測のアップデートがずいぶん出そろいましたが(但しIMFは10月、BUBAは12月)、インフレ予測が今年+6.1%/来年+2.7%とほとんど下方修正されない一方で、GDP成長率予測は今年▲0.4%/来年+1.0%と来年分も含めて下方修正が進んでいます。




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