日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20231113 日本企業の為替リスク管理(RIETI)

 

こちらの研究結果を私なりにごくごく簡潔にまとめておきました。

www.rieti.go.jp

 

  • 原油など、ドル建て決済が国際慣行として確立されているような商品では、ドル建てとせざるをえない(選択の余地はあまりない)。
  • 国際市場でのシェアや競争力の高い(値段に関係なく売れる)商品ほど、円建てでの支払い(購入)を相手に受け入れさせやすい。
  • 先進国と途上国の間では、先進国通貨が選択されやすい。
    それ以外の場合でも、ボラティリティが低く管理しやすい通貨が選択されやすい。


  • グループ間取引では、為替リスクを極力(管理体制を充実させた)本社に集めて一元管理しようとする。
    従って、企業規模が大きいほど、円建てに拘らなくなる逆にグループ外取引では円建て取引の確率がやや増える。


  • 日本を含むアジアのサプライチェーン経由で生産され、最終的に米国に輸出されるような商品では、途中全てをドル建て決済とすることが多い。
  • 日本の輸出企業は、他の先進国企業と比べて円建て輸出を採用することが少ない。
    PTM(Pricing-to-Market)行動<為替変動分の転嫁による輸出価格の上昇を避けようとすること>を取ることが多いため。
    その結果、日本から欧州向けの輸出では、5割がユーロ建て、3割が円建てとなっている。

 

<関連ご参考> 外準通貨シェア(IMFデータ)

 ドル49%、ユーロ20%、円5.4%、ポンド4.9%,人民元2.5% (2023Q2)

https://data.imf.org/?sk=e6a5f467-c14b-4aa8-9f6d-5a09ec4e62a4

 

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