日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20240304 ロシア盗聴問題についてのドイツメディアの報道ぶり

ドイツのタウルス(長距離巡航ミサイル)のウクライナへの供与について、ドイツ空軍高官がオンライン形式で秘密協議を開いた際、その内容がロシア側に盗聴されてしまっていた問題についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。

  • 盗聴された2月19日の軍高官4人による会話は、ウクライナでのタウルス投入可能性について、ピストリウス国防相への説明準備のためのものだった。
  • クリミアからロシア本土に渡るケルチ橋を破壊できる可能性や、ミサイル提供にあたって必要な実務的サポート内容などについて、非常に率直に語っている。
  • 但し、その内容自体は一般論として既知の内容であり、幸い新たな軍事機密の漏洩には直結していなかった。
  • ショルツ首相は「ロシア本土の攻撃に使われてしまい、ドイツが戦争に直接巻き込まれる可能性が否定できない」としてタウルス提供を明確に拒否している。
  • タウルスは戦況を好転させうる強力な武器だが、この盗聴データ公開には西側内部を分裂させ、タウルスのウクライナ提供を防ぐ狙いがある。
  • ロシア側がドイツなど欧州を相手にいつでもどこでも盗聴が可能だという情報力を誇示した。
  • ロシア大統領選の2週間前、ナワルヌイ氏の葬儀(反プーチン派が意外と多い印象を与えた)直後という公開タイミングも偶然ではない。
  • サイバー攻撃、スパイ活動、偽情報などを駆使したロシアのハイブリッド戦は非常に高度なものであり、ドイツはそれらに対して明らかに脆弱すぎる。
  • ロシアはドイツを嘲笑にさらし、ドイツ連邦軍連邦政府は説明に窮している。ロシアはドイツを当惑させることに大成功した。
  • ロシアの秘密諜報員がWebex会議へのアクセスデータを入手し、参加者に気づかれないまま会議に参加し、盗聴に成功した可能性がある。
  • このようなお粗末な状態では、他の西側同盟国が重要な諜報情報をドイツと共有してくれなくなる

<日本語報道例>

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