日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20240523 ユーロ圏賃金動向(ECBブログコメントのエッセンス)

 

 https://www.ecb.europa.eu/press/blog/date/2024/html/ecbblog20240523~1964e193b7.en.html

本日のECBブログ(他にも有益な分析コメント多数あり)にユーロ圏賃金動向についてのデータと分析コメントが掲載されていたので、そのエッセンスを以下紹介する。

「足元やや強めの賃金データが出ており、もうしばらく上昇するだろうが、その後落ち着いてくるはずであり、6月の利下げを妨げるものではない。」と言っているように見える

  • 【冒頭グラフ】2024Q1の一人当たり賃金の上昇率は前年同期比+4.7%。2023年通年の+5.2%よりは低下しているが、強気の賃金交渉を背景にかなりの高水準
  • ECB賃金トラッカー(ユーロ圏全体の賃金動向を評価するためにECBが開発したツール)は、2023年以降、全体的な賃金上昇圧力にブレーキがかかっていることを示している。但し、2024年は年前半いったん上昇し、その後は上下動を繰り返しながら概ね横ばいで推移するものと予想される。この展開は直近のスタッフプロジェクションの想定と整合的
  • ECB賃金トラッカー(青)は、これまでの実際の賃金上昇率(黄)をおおむねしっかり予知できている

  • Indeedのデータ、2024年3月のECB企業電話調査、2024年4月のECB企業金融アクセス調査(SAFE)など他のサーベイでも今後の賃金の落ち着きが示唆されている

 

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