先ほど発表されたDIW(ベルリン研、ドイツ5大研の一角)のドイツ経済予測のエッセンスは以下の通り:
- 表題:「経済低迷の終焉: ドイツ経済は軌道に乗りつつある」と慎重ながらもポジティブなトーン。
- 世界経済は予想以上に堅調。今年+3.7%/来年+3.6%成長見込み。ドイツ経済もその恩恵に預かる。
- 実質所得の上昇とECBの利下げが貯蓄選好に歯止めをかけ、今年・来年と個人消費がGDP押上げに寄与しそう。
- 欧州サッカー選手権(EURO2024)のドイツ開催は、サービス業と消費財にややプラス。
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構造的プライマリーバランス(赤線)はほぼ均衡しており、財政は十分健全な状態にある。
- 「債務ブレーキ」(例外的状況でない限り、新規債務/財政赤字をGDP比0.35%以内に抑えるという憲法上の財政健全化ルール)を柔軟化し、財政緊縮路線を転換すべき時。
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ドイツのインフレについては、下図の通りかなり落ち着いた展開を予想。
- 潜在成長率は既に+0.5%に低下している(労働投入が▲0.2%寄与)と推計。
<主要計数一覧>~経常黒字(GDP比)は今年7.6%/来年8.0%と超高水準の予測。
<四半期推移>~前期比GDPは、Q2+0.2%/Q3+0.3%/Q4+0.4%と徐々に加速。個人消費はQ2からプラ転。
<内外他機関との比較>~概ねコンセンサスに沿ったヘッドライン
<世界経済予測一覧>~ユーロ圏は今年+0.8%/例年+1.5%(ドイツを除くと+1.2%/+1.5%)成長予想。
●日本のインフレは来年+1.5%まで下がると見ている。
<日独経済日記>