日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20210912 先ほど2回目のTV討論終わりましたが、ショルツ/SPDのリードが続きそうです

本日2回目の3候補TV討論会(95分)があり、結論から申し上げると、ラシェットがショルツを逆転するのは難しそうな感じでした。

Annalena Baerbock, Armin Laschet und Olaf Scholz: So lief das TV-Triell auf ARD und ZDF (msn.com)

 

逆転を狙うため果敢に攻めざるを得ないラシェットは、今回も機会ある毎に(本来温厚な彼らしくない)攻撃的なスタンスに徹しました。

今回は
SPDが左派党(Linke)を連立交渉対象から排除できないこと
②ショルツの財務相としての落ち度
(FIUへの検察がさ入れ、ワイヤーカード、EXCUM)

の2点を執拗に攻撃したのですが、

①については、前回同様で新味なし(Greenも、Linkeが責任ある外交に軌道修正するなら交渉は可能というSPDと同じスタンス)

②については、ショルツが(やや言い訳がましい感じは否めなかったものの)変にはぐらかすことなく、印象操作(誇張)になっている事実関係に対する指摘や、既に必要な対策をしっかり講じていることを雄弁に語り、おろおろしたり言葉に詰まったりすることなく無難にしのぎ切りました。

 

番組終了後に発表された番組視聴者1500人に対するDimapの調査結果(すべて%)によると、今回も全体的にショルツが高く評価された/好印象を残すことに成功したことが確認できます。

 

【3者の政治家としての能力に対する評価】

        説得力  親近感    資質   信頼感  実行力 

 ショルツ    41    34    49    39    28

 ラシェット   27    18    26    26    25

 ベアボック   25    39    18    26    41 

 

【3者の中で最も支持する候補者】

          先週   今週   態度未定の人の中

 ショルツ    43    43       36 ⇒ここでもショルツリード

 ラシェット   19    24       25

 ベアボック   13    19       25 

 

【各政党支持者が一番良いと感じた候補者】

          SPD   CDU   Green

 ショルツ    77    18    25   ⇒他党からも相応に評価

 ラシェット     3    74     2 

 ベアボック   17      5    71   ⇒SPDからも相応に評価 

 

オンライン世論調査CiveyでもTV討論でのショルツ優勢、その後のSPD優勢が確認されています。

f:id:dateno:20210913064253p:plain

f:id:dateno:20210913064337p:plain

Erfahren Sie, was Deutschland denkt - Civey

 

今回のTV討論を経た現時点での選挙戦に対する私の評価(印象)

  • SPDが第一党で着地し、ショルツ首相が誕生する可能性が一層高まった
  • GreenはCDU/CSUよりSPDとの連立を優先しそうで、
    連立交渉の順序としてはまず信号機、次に赤赤緑、であり、
    ジャマイカは一番後回しになる
  • SPDとCDU/CSUの間の信頼関係修復は難しそうで、仮に2党でギリギリ過半数が確保できたとしても、SPD主導の大連立は信号機よりは後回しにされる