本日ドイツ連邦統計局から(ウクライナ危機の影響が反映された)3月のホテル・レストラン業界の売上高速報値が発表されました。
前年同月比実質+114.8%、名目+124.%と大きく回復しているだけでなく、
10%程度の値上げ(名目と実質の差)に成功している姿が確認できました。
ただし、コロナ前の2019年2月との対比では、
実質▲27.7%(宿泊▲34.4%/飲食▲24.6%)とまだまだ厳しい状況となっています。
2020年、2021年と2年間連続で平時の6割程度の低い売上高で走り続けることを強いられた後、上記のような状況ということですので、ホテル・レストラン業界の財務状況は引き続き相当厳しいのではないかと推察されます。
コロナ禍における2年間、夏には毎年いったんかなり戻すものの、寒くなってくるとコロナが再び広がって客足が遠のく/規制が厳しくなるため、平年比3割程度まで落ち込んでしまうというパターンを繰り返してきました。今回は冬の底がかなり浅い(平年比6割程度で済んでいる)ので、今後2年程度は続くと期待されているリベンジ消費(コロナで急騰した貯蓄率の正常化プロセス)でどこまで回復できるか注目しています
(赤線:原系列、青線:季調後)
ちなみにドイツのGastgewerbe: ホテル・レストラン業界 は以下の3つから構成されています。
- Beherbergungseinrichtungen: ホテル、ペンション、キャンピング場等
- Gaststätten: レストラン、カフェ、バー等
- Kantinen/Catering: 社員食堂、ケータリング(機内食含む)等
平時の年間総売上高は約900億ユーロ(約12兆円)
その中の1,2,3のシェアは、それぞれ35%、54%、11%(飲食2/3、宿泊1/3)となっています。