日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20230406 ドイツ労組が週4日制を要求し始めています

風にIGメタルのロゴが入った旗。

 

ドイツ最大の労働組合である金属産業労組(IGメタル)が、次の交渉ラウンド(鉄鋼業では今年11月頃)から、賃金は据え置いたままでの週4日制(週32時間労働)導入を要求する方針を固めつつあります。

ドイツの製造業では賃金が減る形での時短は既に広く実施されているので、その延長線上にある実質的な賃上げの一種として、来年あたりから広がっていきそうな感じがします。

 

IGメタル側の主張のポイントは以下の通りです:

  • IGメタル鉄鋼業界賃金委員会メンバーが、賃金据え置き型週4日制(以下週4日制)について現在検討中。
  • メインの目標は、従業員の収入を減らすことなく、従業員の本当の安心を実現すること。
  • 生活の質、健康、ライフワークバランスの改善に直結する。
  • 通勤を減らし、気候変動対策にも貢献する。
  • 当該業務は魅力的なものになり、人手不足対策になる。
  • 特に鉄鋼業を若者にとってより魅力的なものにすることは非常に重要。製鉄の脱石炭には若者の力が必要。
  • スウェーデンアイスランド、ベルギーでは、週4日制による生産性向上と仕事の魅力の高まりが確認されている。
  • 週4日制は現在世界中で議論され、多くの国で実験も行われており、世界の流れになりつつある。
  • 従業員の70%が週4日制を望んでいる。
  • IGメタルの労働協約の中には、既に週28時間までの労働時間の短縮(賃金カットを伴う)を認めているものが多数ある。これを調整すればよい。  
  • シフト勤務に週4日制をどうやって実装するかは今後の課題。