日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20230613 ベルルスコーニ元伊首相死去に関するドイツメディアの報道ぶり

 


シルビオベルルスコーニ元イタリア首相(86)が12日他界したことに関するドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。死者に鞭打つべきでないという一定の遠慮は感じられるものの、トランプ同様、最悪のポピュリストとしての解説が目立ちます。

 

  • 累計4度、計9年間にわたってイタリアの首相を務めた。保守系のリーダーとしてイタリア政界の歴史上、最も影響力があった人物であることについては、疑いの余地がない。
  • ヨーロッパの中で最も物議を醸した政治家の一人であることも間違いない。
  • 短命が普通のイタリア政界において、そうでなかったことは特筆に値するものの、政治的成果は驚くほど少ない。イタリア経済の長期低迷に対しても何ら手を打つことはなかった。
  • ミラノ出身で、建設やメディア業界など実業界で成功した後政界入り。
  • 汚職や脱税などの疑惑や、少女買春などの不祥事が絶えず、マフィアとの癒着まで指摘されていたが、自分のメディアをフル活用して、とにかく選挙で結果を出し続けた
  • 左派台頭への不安を掻き立てて自分の票にする手腕においては他の追随を許さなかった。
  • 戦後ポピュリストの模範的存在で、ある意味時代を先取りしていた。
  • エンターテイメント民主主義の創始者でもある。
  • 政治家としてもビジネスマンとしても、どうすれば道徳的基準を軽視しながら支持を集められるかという技術において、同タイプの政治家全世代にインスピレーションを与え続けてきた。
  • トランプは彼の手法に学び、今やポピュリストとして最高の形を作り上げつつあるように見える。
  • イスラエルのネタニヤフ首相や、ハンガリーのオルバン首相も明確にベルルスコーニのテクニックを取り入れて活用している。
  • 最近のポピュリストとの唯一の違いは、ベルルスコーニは決して根っからの反ヨーロッパではなかったということEU内で影響力ある大国として、EUのメリットをできるだけ享受しようというスタンスを貫いていた。
  • しかし、基本的には常に「Me First」だったので、ドイツの歴代首相からはうんざりされていたものと思われる。

 

<日本語報道例>

www3.nhk.or.jp

www.msn.com

 

<日本語WIKI

ja.wikipedia.org