BRICSが来年初からアルゼンチン、エジプト、エチオピア、イラン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦の6カ国を新たなメンバーに加える(BRICS Plusとなる)ことについてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。
- 6カ国の追加により、新BRICSの世界シェアは人口で42⇒46%、GDPで24⇒37%となる。
- 新たな拡大は、地政学的計算が経済的動機よりも重要になっていることを示している。新たに加盟する6カ国は世界の経済生産に大きな貢献をしておらず、BRICSファミリーの国内総生産を約26兆から約29兆に増加させるだけで、わずか12.5パーセントの増加にとどまる。
- 新興国による西側諸国への対抗勢力を形成する歴史的節目になったとBRICSは自賛。
- 中国とロシアが早くから主張していたメンバー拡大に、他のメンバーがようやく同意した格好。
- 新旧メンバー諸国は、自分たちの主張をもっと真剣に受け止められたいという願望で結束している。
- しかし新旧BRICS内は矛盾に満ちている。利害は鋭く対立し、強烈な対抗意識に満ちている。
- 特にイランとサウジアラビアの組み合わせは問題を複雑にする。
- 加盟国の数だけ増やしても、共通の基盤が欠けている限り、西側諸国にとって大した対抗勢力にはならない。
- サウジやUAEは中東での米国の影響力低下に乗じて、自らの影響力拡大を志向している。
- しかし米国は特段危機感を募らせてはいない模様。
- 但し、BRICSの拡大が西側諸国にとって無視できないシグナルであることは間違いない。
- (中露以外の)南アフリカ、ブラジル、インドネシア、インドは、どのパートナーシップ(他にはG20などもある)が自国の価値観や利益に最も適しているかを自問する必要がある。
- ドルベースの名目GDP合計金額ではG7に肉薄してきている/他のメンバーを加えれば逆転もありうる。
<日本語報道例>