本件ドイツの一般紙ではあまり報じられていませんが、ドイツ取引所新聞などの経済専門紙での報道ぶりをご紹介します。
- 英国は欧州の国として初めてTPPに加盟することになった。
- スナク首相としてはこのTPP加盟を、BREXITにより達成できた象徴的成果の一つとしてアピールしたい模様。
- その代わり、英国はもうこれでEUには二度と復帰できなくなる。
- 英国を加えたTPP諸国は、EU27カ国と同等経済規模になる。
- 英国下院と加盟国の議会での批准は年後半となる見込み(遅れるリスクあり)。
- 英国政府は、このTPP加盟はGDPを長期的に18億ポンド押し上げると見積もっているが、これはGDPのわずか0.08%に過ぎない。
- 但し、TPPメンバー国の多くはEU諸国よりもずっと高い成長力を持っている。
- また、将来もし米国がTPPに参加してくれるとメリットは一気に大きくなる(但し今のところ期待薄)。
- 英国が強みを持つ金融サービスや関連専門サービス業者にとって大きな後押しとなりうる。
- 英国の官僚主義を減らし、輸出を促進するいいきっかけにもなりうる。
- 加盟国は新加盟に関して拒否権を持てるので、英国は将来の中国の加盟を阻止したい模様。これが英国TPP加盟の最も重要なポイントかも知れない。
赤い部分がTPPによる増分
~既存のFTAがあるので、効果はさほど大きくないという見せ方
上から順に、①UKからの財輸出、②UKの財輸入、③同サービス輸出、④同輸入