最近ドイツ各地で、極右反対/民主主義の保護強化を訴える大規模デモが多発しています。これらについてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。
- これらの抗議の波は、右翼勢力の過激派、AfD、WerteUnionの代表者や起業家らが昨年11月に秘密会合の場で外国人の大量国外追放について議論していたことが明らかになったことによって引き起こされた。
- 昨日は全国で推定30万人が右翼過激思想に反対して街頭に立った(フランクフルトとハノーファーで各35千人、ブラウンシュヴァイクとシュトゥットガルトで各20千人など)。
- 極右が圧倒的に優勢な旧東独地区(ハレ、エアフルトなど)でも人々が立ち上がっていることは大変心強い。
- フェーザー内相:「民主主義は多くの人々が顔や態度を示すことによって強化される。」
- しかしデモ自体で民主主義が救われることはない。同じ考えを持つ人々だけが集まって「自分たちはがんばった」といい気分で家に帰るだけでは何も変わらない。
- 抗議活動以外の場で、意見が異なる人との間で対話を重ねることの方がはるかに重要。
- 民主主義のルールの中で、異なる意見の人々を説得するのはそう簡単ではない。
- AfDを「違憲政党」としていっそ禁止せよ、という意見もあるが、「違憲」状態の強い根拠もないままそのような措置を強行すれば、権威主義や陰謀論の犠牲者だと喧伝され、かえって支持率を高めるだけに終わる可能性が高い。
- 今年新設されたBSW(同盟サラ・ワーゲンクネヒト)党は、右ではなく左からポピュリズムを広げようとしている。
- BSWは、プーチン大統領を和平交渉のテーブルに着かせるためのウクライナ武器供給中止やEU離脱を提唱し、現行の政治に対する不信感を煽ることにより支持を集めようとしている。
<最近の政党別支持率>
極左ポピュリスト新党(紫:BSW)が極右ポピュリスト(青:AfD)の票を一部食っていますが、両方合わせると27.4%に達しています。まもなく極右新党WerteUnionも結成される見込みで、中道的民主主義政党の支持率がどんどん低下しそうな展開となっています。
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