日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20240208 ドイツの労使交渉とストライキ:旅行や出張の計画に影響

最近ドイツでは鉄道(遠距離/近距離)と空港でのストライキが繰り返されており、旅行や出張の計画がうかつに立てられない状況が続いています。

下表は今後予定されている労使交渉の一覧表ですが、現時点では以下黄色網掛け部分にほとんど歩み寄りや妥結に向けた動きが見られないので、この状況は当面続いてしまうものと思われます(但しドイツ鉄道は2月いっぱいストを我慢する見込み)。

なお、今年の労使交渉のヤマ場は、赤字部分:夏の金属・電機と年末の公務員となる見込みです。


もともとドイツはそれほどストライキが頻発するような国ではなかったのですが(下図でも中位)。。。

最近の人手不足(特にある程度の専門スキルを要するポスト)の深刻さを背景に、「会社がつぶれでもしない限りそう簡単には解雇されない」状態が続いていることから、被用者も待遇改善要求で強気化し、交渉で大きな成果を挙げている労組に積極的に新規加入する人が増えているようです。

平均的な組合費は収入の1%程度(所得税で必要経費にできる)ですので、最近のように高い賃上げを勝ち取れるなら高くないかもしれません。

しかし、年金生活入りによる大量退職などの影響は補い切れず、組合員の減少トレンド自体はしつこく続いています。


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