ドイツ自動車クラブ(ADAC)の調査によると、6月1日からスタートしたガソリン減税の結果、実際の小売価格は減税開始で以下のような低下を見せたようです。
スーパー(黄線) :リッター1.878ユーロ(前日比▲27.3セント)
ディーゼル(灰線):リッター1.928ユーロ(前日比▲11.6セント)
リッターあたりの減税幅は、スーパーで35.2セント、ディーゼルで16.7セントなので、今のところそれぞれ78%、69%の転嫁率ということになります。
ガソリンスタンドが減税前の価格で仕入れた分もかなりあるはずですので、これはまあまあの転嫁率ではないかと思います(ADACは自らの会員のために「まだまだ下げる余地がある」と圧力をかけていますが)。
ドイツにおけるガソリン小売価格の今年2月以降の推移は下図の通りです。ウクライナ危機をきっかけに跳ね上がった後、高止まりが続いていました。ドイツは車で通勤する人も多いので、政治的に何らかの対処が必要な状況でした。
ガソリン小売価格は日中もリッターあたり3~4セントは中央値から変動しており(ダイナミックプライシング)、朝が一番高く、夕方/夜に向けて安くなっていくようです。
ちなみに、ドイツの2021年の原油輸入元は
ロシア34%、米国13%、カザフ10%、ノルウェー10%、UK9%、その他25%
となっていましたが、足もとのロシアのシェアは既に12%まで下がっています。