毎月下旬にドイツ連銀月報(英語版はかなり遅れて出る)がリリースされているのですが、その冒頭には必ずドイツ景気についての短評(Kurzberichte, Kunjunkturlage)が出ており、特に現在のような景気の転換点ではチェックする価値が高いと思っています。
そのエッセンスについて、ドイツ連銀が別途アップデートしているチャートと組み合わせてご紹介します。
●GDPについては、Q2までプラス(+0.1%)だったが、Q3は小幅マイナス、Q4はさらにそのマイナス幅が拡大する可能性が高い。
●足元の製造業アウトプットは、エネルギー制約への懸念から、化学を中心に軟調。但し、現状の感触では、ロシアからのガスが完全に止まったままでも懸念されたような大混乱は回避できる見込み。サプライチェーン障害も緩和している。
●景況感は大きく悪化しているが、雇用は堅調。就業者数の増加が続き、時短は急減している。失業率の上昇はウクライナ難民カウント開始によるもの。
●インフレについてはまだまだピークアウト感なく、消費者物価は10%台に載せる可能性がある。
<ドイツ連銀月報>
<ドイツ連銀チャート集(英語あり)>