日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20230306 ドイツで意外と大きい男女賃金格差

<月あたり労働時間:女性(青)/男性(黒)> 第一子出産以降差が開く

https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/03/PD23_084_621.html

 

先ほどドイツ連邦統計局から以下のような興味深い発表がありましたので、ご報告させていただきます。

 

一言でまとめると「女性の賃金が男性より低いのは、就業率低い×労働時間短い×低賃金ポストに就業×同じ仕事/ポストでも時給が7%低いため」ということのようです。

 

  • 2022年時点のドイツで、女性は男性より18 %時給が少ない(調整「前」男女賃金格差)
  • このうち、11%ポイントは、職種や責任範囲(ポストの賃金差)によって説明される。
  • しかし、残りの7%ポイントは説明できない(調整「後」男女賃金格差)
  • 女性と男性の収入差の大きな原因は、女性のパートタイム率の高さ
  • 男性が月148時間を有給労働に費やしているのに対し、女性は121時間と18 %短いジェンダーアワーズ・ギャップ)。
  • 第1子出産時の平均年齢(母親の場合:30.5歳~上図縦線部分)から、男女の労働時間の差は年齢とともに拡大(女性は労働時間を短縮し、男性は増やす)。
  • 男女の労働時間差は、39歳から41歳の間で最も大きく、23%になる。
  • 就業率を比べると、女性72.1%、男性79.4%(2021年)。
  • 賃金、時間、雇用を総合的に見た場合、ドイツはEU加盟国の中で4番目ジェンダーギャップが高い労働市場の国となっている(ドイツより酷いのはオーストリア、オランダ、イタリアのみ)。