昨日ECBは前回予告通りの50bp利上げを断行しましたが、それに対するドイツ主要メディアの報道ぶりをご紹介します。
- 利上げ決定直前まで、CSがガダガタしていたのでどうするかが注目されていたが、ECBは以下の二つのメッセージを明確に示した。
①予告通り、まずしっかりインフレ退治に取り組む方針であること
(インフレはまだあまりにも高く、その放置による弊害~特に貧困層への打撃
~の方がよほど心配)
②万一の銀行危機の際には断固として対応できること
(ユーロ圏の銀行には特段預金流出などは発生していない) - 将来の金利軌道については一切言及せず、不透明な環境下で最大限の柔軟性を確保した。
- 市場は「ほっとした」という反応で、株価は反発。但し欧銀株の反応はMIX。
(CSと似たスキャンダル多きインベストメントバンクであるドイツ銀は続落) - ドイツの金融監督は米国やスイスより厳しく、銀行は常時状況を把握されている。規制強化のおかげで資本と流動性はしっかり確保されている。
- ドイツ(ユーロ圏)の預金はかなり分散されており、10万ユーロまで保護されるので心配しないで欲しい。
- グローバル金融危機(リーマンショック)の時のように、多くの銀行がサブプライムでやられているわけではなく、今回はあくまで個別行のALM失敗によるもの(本来金利上昇は銀行の追い風)。
- 但し、そんな失敗があちこちに隠れている可能性は現段階では否定しきれない。今後金利を上げ続ければ、その失敗が増える可能性もある。
<ブルンバーグの報道ぶり>
<ECBインフレ予測>