https://stats.oecd.org/Index.aspx?DataSetCode=CPL
OECDが毎月発表している月次比較物価水準(monthly Comparative Price Levels :CPL)を使うと、その時点での為替レートと民間最終消費支出の購買力平価の比による各国間物価水準比較が可能となります。
直近データは今年4月分ですが、ドイツを100とした場合の序列は下図の通りです。
割高な国:①スイス(158)、②アイスランド(146)、③アイルランド(134)
割安な国:①トルコ(39)、②コロンビア(43)、③ポーランド(62)
ドイツから見ていつも物価が高いとされているスイスと北欧諸国は、そのイメージ通り上位に名を連ねています。
ドイツ100に対して日本94とあまり違わないのは、両国の民間最終消費支出ベースでの購買力平価(PPP)が1ユーロ140円台とかなり高いためと思われます(IMFのPPPは125円、ビッグマック平価は85円前後なので大分違います)。
トルコはインフレで物価が急騰していますが、それ以上にトルコリラが暴落しているので、結局ドイツから見ると引き続き物価はかなり安く見えるということでしょう。
ドイツでも高インフレで購買力が激しく目減りしていますので、今年の旅行はできるだけ割安なトルコや南東欧で、というアドバイスをよく目/耳にします。
同様に日本を100とした場合の序列はこちらの通りです。
割高な国:①スイス(167)、②アイスランド(155)、③アイルランド(142)
割安な国:①トルコ(41)、②コロンビア(46)、③ポーランド(66)
ドイツと日本の物価水準が近いとされているもあり、ほぼ同様の序列となっています。
現在のようなユーロ高円安でも、日本とドイツの物価水準はあまり変わらず、ポルトガルやギリシャの生活は、日本より割安ということになります(今のEUR/YENレートだとやや違和感ありますが)。
なお、7月下旬には英エコノミストのビッグマック指数も発表されます。円に対するユーロの過大評価がどの程度と評価されているかに注目です。
日本のビッグマック(単品450円)とユーロ圏のビッグマック(4.89ユーロ)が全く同じものだと仮定すると、1ユーロ92円くらいであるべきということになりますが、足元のユーロ円の実勢は156円くらいですので、ユーロが対円で7割程度過大評価されているという感じになりそうです。
上記インデックスだと日本の100に対してドイツは170くらいになるというイメージです。
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