本日ドイツ経済省から発表された9月経済月報のエッセンスは以下の通りです(月央の当該月報と下旬のドイツ連銀月報を併せてフォローすれば、ドイツ経済を読み間違えることはありません)。
- 世界経済の低迷継続(特に中国)で外需は冴えないものの、国内は実質賃金プラ転(インフレ↓+賃金↑)による個人消費底打ちと投資にわずかながら回復の兆し(前回までは内外とも明るい材料が見当たらなかった)。
- 但し、第3四半期としてはまだ非常に弱く、回復は年明けくらいからか(今年の通年マイナス成長回避はかなり難しそう)。
- 生産・受注ともおおむね弱含み横ばい(7月は特に車の生産が弱かった)が続いており、製造業回復の手応えはまだない。
- 受注の6月急増/7月急落は、航空機大型受注による一時的なブレ。
- インフレ率は8月もわずかに低下を続けているが、食品の値上がりはまだハイペースでエネルギー価格は最近再び上昇しつつある。
- インフレ率の予測レンジは、今年6.0~6.1%、来年2.1~3.0%。
- 景気低迷でさすがに企業は採用に慎重化(8月求人広告大幅減少)しているが、熟練労働者の確保に必死で安易な解雇は回避されており、労働市場はほぼ安定を保っている。
<主要経済統計一覧>
<新車登録> ここ数か月小じっかり気味。
Germany New Car Registrations - August 2023 Data - 1958-2022 Historical
<エネルギー価格> 電気代(緑)は落ち着いているが、国際原油価格上昇を受けて、ガソリン価格(赤)はジワリ上昇してきている。
https://www.zeit.de/wirtschaft/energiemonitor-deutschland-gaspreis-spritpreis-energieversorgung
<経済省のGDPナウキャスト> Q3(7-9月期)は前期比▲0.4%予想。