日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20240423 中国スパイ逮捕についてのドイツメディアの報道ぶり

先週ロシアの破壊工作員容疑者2人が逮捕されたばかりだが、今度は中国のスパイ3人が逮捕された。本件についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通り。

  • サイバー攻撃に加えて、産業技術や軍事関連の情報入手を狙った中国によるスパイ活動は、ドイツ最大の脅威の一つとみなされている。
  • 今回の事件では、スパイ活動が中国人によって直接行われたのではなく、中国国家安全省にドイツ人経営のフロント企業が利用されていた。
  • 連邦憲法擁護局は、容疑者3人を長い間ターゲットとして監視しており、決定的証拠を得て逮捕に踏み切った。
  • 被告らは中国の軍事力強化に役立つ可能性のある研究プロジェクトについて交渉中だった。特殊なレーザーなどデュアルユース商品や、戦艦用高性能エンジンに関する機密情報をすでに中国は入手している模様。
  • ベルリン中国大使館:「中国のイメージを政治的に操作し、中国を中傷するためにスパイ容疑を悪用することをやめるようドイツ側に求める。」
  • 本件の直後に、連邦検察庁は次期欧州議会選でのAfD筆頭候補マクシミリアン・クラ氏の側近を中国のスパイ容疑で逮捕した。
  • この容疑者はドイツ議会の内部情報を中国国家安全省に伝えたり、ドイツ国内の中国人反体制派を監視したりしてした。
  • 二つの逮捕の間に直接の関連はなく、捜査当局はよく頑張ったと思うが、こういったスパイ行為に対するドイツの脆弱性が明らかになった。
  • ロシアと同様、中国は政治、ビジネス、科学の分野で手強いネットワークを構築しており、影響力作戦やハイブリッド戦争にフル活用している。
  • 操作当局にとって、これらは単なる始まりであり、小さな成功にすぎない。同様の事件は今後さらに多くなる
  • 特に科学とビジネスの分野では、中国リスクに対する認識があまりにも甘すぎる

 

<日本語報道例>

jp.reuters.com

 

<先日のロシアスパイ逮捕>

dateno.hatenablog.com

 

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