【SENTIX注目チャート】~米財政懸念根強く、中東情勢緊迫化をきっかけとする米長期国債への質への逃避需要は限定的(赤:中期弱気不変/青:短期中立でショートカバー程度)。安全資産需要の一部は金に流れている。

~産業セクター別では、中東情勢緊迫化でエネルギーが一層強気化する一方、保険、金融、観光業が弱気化。

【SENTIX市場センチメント(強気/弱気)】~金銀強気にかなりの過熱感。米独国債への質への逃避的需要は見えず。

【SENTIX市場センチメント(買われ過ぎ/売られ過ぎ)】~戦争勃発の割に値動きは限定的。概ね中立で特段過熱感のない状態継続。

【Bloomberg Real Yield】~米金利市場の洞察
◆中東での緊張の高まりによる原油価格上昇がトランプ関税によるインフレ圧力をさらに高める可能性が意識され、米金利は上昇。質への逃避需要があまり感じられない。
◆とはいえ、30年米国債入札には投資家の強い需要(B/Cレシオ2.43倍、利回り4.844%)が集まり、ドル資産からの逃避によるドル安は起こりづらそうな雰囲気になっている。
◆米10年国債利回りは4.3%から4.5%の間で推移。ジェフリー・ガンドラックとポール・チューダー・ジョーンズは、財政懸念でいずれ米国債が買われなくなるリスクに警鐘。
◆市場はまだ年内2回の利下げを織り込んでいるが、FEDはインフレ抑制のため利下げを渋る可能性あり。
◆海外投資家を中心に米国財政状況に対する懸念は根強いものの、利回りが非常に魅力的な上、市場の懐の深さで代替になる投資対象がないため、米国債から他国債(日独が有力候補)へのシフトが現時点で差し迫っている感じはない。
◆市場の関心はいずれ関税から財政に移る。いずれ必要になる米国債の発行急増に市場が耐えられるかどうかが今後最大のポイントになる。
◆パウエル議長の任期が来年5月まであるので、市場はまだFRB現体制での金融政策見通しに専念できるが、年後半のどこかで、新議長(ウォーシュ?ベッセント?)のスタンスを意識せざるを得なくなる。
◆社債市場は株同様、相互関税ショックからかなり迅速に回復し、投資家需要の根強さを証明。多少サプライが増えても順調な消化が期待できそう。
◆関税に対する大きな不透明感が残る中での中東情勢緊迫化の割に、スプレッドは意外なくらいタイトでやや割高感あり。年後半に向けてインフレや景気減速が意識されればワイド化してもおかしくない。但し、これは財政懸念で米国債が割安になっているためである可能性もある。
【FED利下げ織り込み】~年内は9/17以降に2回、来年追加2回という市場織り込み
https://www.cmegroup.com/markets/interest-rates/cme-fedwatch-tool.html
【ECB利下げ織り込み】~市場は年内あと1回+αを期待しているが、ECBは「利下げ最終局面(中立金利ほぼ到達)」と公言しており、据置き継続の確率3割に上昇
【今週の重要指標】~独ZEWと米小売(火)、FOMC据え置き後の記者会見(水)と中東情勢の推移に注目

https://www.deutschlandfunk.de/nachrichten/wochenueberblick

