https://www.scoperatings.com/ratings-and-research/research/EN/177299
ECBにも採用/認定されている在ベルリン格付機関スコープ社による世界経済見通し(リンク上添)のうち、ドイツ関連部分を以下抽出しておく:
- 世界経済は潜在成長率2.6%に対して今年+3.2%/来年+3.4%としっかり。高金利にもかかわらずソフトランディングに成功し、デフォルトは低位に留まる。
- 今年(暦年)の日本のGDP成長率は、自動車認証不正等の影響で▲0.3%を予想。
- 期待値の低い中国経済には上振れリスク(ドイツ経済にはサポート材料)あり。
- ユーロ圏の商業用不動産リスクは要注視ながら、現時点ではまだ深刻なものではない。
最も資産価格が心配なオフィス(ユーロ圏)でも2025年末に向けてあと▲6%程度を予想。 - フランスの財政を巡る混乱は当面要注視(ユーロ圏最大のリスク)。Scopeは他機関(S&P、ムーディーズなど)比、米国、中国、トルコ、ウクライナに悲観的。イタリアに楽観的。
- タイトな雇用(強い賃金上昇)、脱グローバリゼーション(関税/非効率)、構造的地政学リスク(財政/軍備負担)はインフレ押上げ(上方リスク)。
- 主要国インフレ見通し~ユーロ圏(青)はなかなか中銀目標の2%までは落ちてこない。中国は当面デフレ気味ながら、来年は2%近くにまで上昇。
- 主要国金融政策見通し~ECB(灰)の利下げについては、今年あと1回、来年2回と市場織り込みに比して非常に緩慢なペースを予想(FEDは年内あと1回のみ)。一方、日銀の利上げはせいぜい来年末0.5%ということで、本当にこうなるならユーロ高/円安要因。
- これまでのECB利上げのお陰で、欧銀の利ザヤ(≒収益性)は大きく改善(ドイツでも1.2%くらいまで)してきたが、利下げ開始によりこのトレンドは既に反転しつつある。
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