日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20220217 EUR金利正常化ウォッチ

ロシア問題の緊張感が再び高まっているので、若干金利が反落しており(金は急騰)、現時点ではユーロ3ヶ月物金利プラ転タイミングは12月初め頃にやや繰り下がっています。 

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https://www.theice.com/products/38527986/Three-Month-Euribor-Futures/data?marketId=6498878

 

それでもEURスワップレートは2年以上でプラスとなっています。

EUR金利正常化は着実に近づいてきています。

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https://sebgroup.com/our-offering/prospectuses-and-downloads/rates/swap-rates

 

以下、ドイツ主要メディアでインフレやECBについて語られているポイントをご紹介します。

  • 利の薄い商売は仕入れ価格上昇で即死する
  • この機会にいっそ車に乗るのをやめてしまう人が増加
  • 従来電気代節約の切り札は電力会社乗り換えだったが、今はよそを探してもメチャ高いのしか見つからない
  • 電気代は6割増、ガス代は3-4倍が普通
  • 労組は今後実質賃金目減りを取り返しにいく
  • 仕事の実績に自信あれば、強気で賃上げ交渉すべき
  • グリーンフレーションでエコ意識後退も(Greenが困る)
  • インフレによる税収増で実質増税になってしまっている(FDPが困る)
  • ECBのAbwarten und Kleinredenはとても危険な戦略(後から大幅利上げが必要になるだけ)
  • 1月のユーロHICPの1%はラガルドにもショックだったが、いまだに「急ぐべきではない」と言っている
  • しかし2-3月にインフレは5-5.6%くらいになりうる
  • 債券買取を長期にわたって続けているせいでM3が名目GDPを大きく上回ってインフレ加速
  • 夏にはこの債券買取を止めて9月と12月に利上げ、というのが最近の市場の催促度合い
  • ラガルドは前任のドラギと違ってエコノミストでない
  • 少なくともインフレが予想外に上がり始めた9ヶ月前くらいから判断を誤り続けている(もはやリスペクトの対象ではない)
  • 4月の仏大統領選前の利上げ示唆を避けたいだけのようにも見える
  • テーパリングしながら利上げはできないという理由はどこにもない
  • 新手の「インフレ-財政スパイラル」が動き始めている(社会的弱者への対症療法的歳出⇒インフレ助長)
  • 高齢化で生産人口は減っても、消費者は減らないのでインフレに
  • 高齢化とコロナによる人手不足で賃金上昇
  • グローバル化によるデフレ圧力(中国の農村から湧き出してくる大量の低賃金労働者など)はとっくに消滅
  • ECBは欧州債務危機以来、南欧諸国財政のおサイフになり下がっている
  • 南欧諸国としては低金利とインフレをできるだけ引っ張って、改革の努力なしで債務比率を減らしたい
  • しかし長期金利上がれば南欧は結局財政難に