日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20221229 ドイツの2023年、経済/政治ココが良くなる

 

 

今朝のRheinische Post紙(デュッセルドルフの地元新聞)に「2023年経済/政治ココが良くなる」という興味深い記事があったのでご紹介します。
Was 2023 politisch und wirtschaftlich besser wird​ (rp-online.de)

 

今年判明したように、常に先行きが不透明であり続けるというのが「ニューノーマル」なのだとすれば、「(何もしなくても)まあなんとかなるだろう」という根拠なき楽観ではなく、「こうすればよくなるかもしれないので試しにやってみよう」という類のポジティブシンキングが重要なのではないか/やみくもな悲観で思考停止になり、手が止まるというのが一番いけないと、個人的には思っています。

 

RP紙は来年(かなりの確率で)良くなることとして以下12個を挙げています。⑨と⑫はいかにもドイツらしいなと感じました:

 

①コロナ
コロナはもうインフルエンザと同列のさほど恐れる必要のない病気になる。

 

②インフレ

今年10%を超えたインフレも、さすがに来年は7%には弱まる。

 

③ドイツ(49ユーロ)チケット
月49ユーロで近距離交通全国乗り放題はおトク。車を減らして気候変動対策にもなる。

LNGターミナル
先日ヴィルヘルムスハーフェンに最初のLNGターミナルが開設された。2023年には、ルブミン、ブルンスビュッテル、シュターデの工場が続く予定。ドイツが次の冬を乗り切るのに役立つはず。

 

⑤エネルギー価格ブレーキ
来年初から電気、ガス等のエネルギーコストを政府が大規模補填。業者からの請求額が下がるだけで手続きも不要。

 

⑥児童手当
来年から児童手当は最初の3人の子供に対して月額250ユーロに引き上げ(従来は1人目と2人目の子供はそれぞれ219ユーロ、3人目は225ユーロだった)。

 

⑦住宅手当改革
家賃補助金支給対象が、高齢者や低所得のひとり親などに大幅拡大(60万→200万世帯)。

 

⑧気候変動
2023年11月にドバイで開催されるCOP 28に期待(中国、サウジアラビアなどがより野心的な目標に最終合意する可能性)。

 

⑨ブラジルの権力の変化
ルーラ大統領誕生で気候変動対策前進。

 

NATO拡大
スウェーデンフィンランドの加盟は障害を乗り越えて実現へ。

 

ウクライナでの和平交渉
決着は大変難しいながらも国連内に何らかの仕組みができる可能性は高まっている。

 

⑫トランプ凋落
これは半分ドイツの願望。トランプから嫌われているドイツはトランプが大の苦手。