https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/072aebeb82e74d10ba03d798f2dbb63c
昨日発表されたドイツ6月PMI改定値は40.6と、前月の43.2からさらに大きく低下し、約3年ぶりの低水準となりました。
5カ月連続の低下で、製造業が持続的な需要減少を受けて、生産水準を引き下げていると解説されています。但し、企業はまだ人員削減には踏み切っていない模様です。
製造業受注残(下図黒線)は、統計発表済の4月時点で月商の7.3か月分とまだかなりの高水準で、これまでは生産(赤線)を大きく落とさずに済んでいたのですが、受注(青線)の落ち込みが最近あまりにもひどいので、さすがにそろそろ(一部では)生産調整が必要になりつつあるという状況のようです。
製造業はグローバルベース(下図上)で見ても、ユーロ圏ベース(下図下)で見てもPMI50割れの不振が続いていますが、
https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/f3b0f0fdd3a2474f918a7a3e736e77ce
https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/503ec7d1cabb49db8cd8eb10adf4d454
その中でもドイツの弱さは深刻です。
ドイツの輸出は、GDPのほぼ5割を占めている(日本は2割前後)ので、海外需要の低迷は非常に強い逆風となります。
ちなみに、毎週月曜夕刻に発表されているドイツ連銀の実験的GDPナウキャスト指標WAIは、今週もメチャ強く出ており、GDP前期比+1.6%を示唆していました。
GDP算出に直接使われる普通の経済統計ではなく、人出、電力消費、フライト数、トラック物流、グーグル検索数、クレカ使用金額、大気汚染などのリアルタイムデータから算出されており、経済を全く別の角度からモニタリングしてくれている、かなり貴重なデータです。
2022年Q3大きく外しており、予測精度が高いものとは言えませんが、ドイツ経済に対する悲観一色の中で出されている市場予想の前期比+0.3%に上振れリスクがあるかもしれません。7月31日の速報発表に注目です。
https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex
<関連のご参考>
ドイツ製造業は2022年時点でGDPの23%(上)、雇用の18%(下)を占めています。