日独経済日記

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20230818 ドイツ製造業受注残は高水準維持

https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/08/PD23_327_421.html

 

先ほど発表された6月のドイツ製造業受注「残高」は、前年同月比では▲3.1%と冴えないながらも、6月新規受注が大口受注(車以外のその他運送機器)で大きく押し上げられたため、受注残の前月比は+0.8%とかなり持ち直しました。

冒頭のグラフの赤線が全体、黒線が国内分、青線が海外分の受注残水準(インデックス)ですが、いずれもコロナ前と比べてかなりの高水準となっています。

コロナ後の需要回復局面で、サプライチェーン障害や人手・資材不足などを理由に生産が全く追いつかなかったため、受注残の貯金がかなりたまった格好です。

製造業がコロナ後にため込んだこの高水準の受注残は、人手不足で堅調な雇用(+インフレにキャッチアップしつつある賃上げ)と並んでドイツ経済の下支え要因となっています。

現時点でも月商の7.2か月分相当と、非常に分厚いクッションになっていますので、ドイツの製造業受注の弱含み推移がもうしばらく続いていても、鉱工業生産(∝GDP)の大きな落ち込みは回避できる見込みです。

 

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