日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20220524 各国(ユーロ圏、ドイツを含む)PMI速報について

●7月の利上げが迫っているユーロ圏ではありますが、本日発表された以下総合PMIを見る限り、サービス業主導でしっかりしており、今のところスタグフレーション(マイナス成長や失業率上昇を伴う状態)からは程遠い状況と思われます。雇用は堅調な一方、インフレにはやや減速の兆しアリとのコメントがついています。

PMI Releases (markiteconomics.com)

 

●ドイツ単体で見ても、昨日ご紹介したifoやWAIと同様、総合PMIはプラス成長のモメンタムをしっかり維持しています。こちらもコロナ鎮静化に伴うサービス業の復活が主導しています。市場予想を上回る強さです。

Germany Composite PMI - April 2022 Data - 2013-2021 Historical - May Forecast (tradingeconomics.com)

 

●但し、BREXITでウェートが落ちているとはいえ、ドイツにとっては米仏に次いで3番目位に大きなUKで景気急減速の兆しが見えているので、若干警戒が必要かと思います。成長がインフレに食われているようです。

 

●ちなみに日本の総合PMIも以下の通り、小じっかりな内容(プラス成長モメンタム確保)となっていました。

S&Pの解説コメント】

  • 2022 年第 2 四半期半ばの PMI データ速報値は、日本の民間企業の事業活動が、3 か月連続で拡大傾向にあることを示した。サービス業が過去 5 か月間で最も大きく拡大したことに牽引され、民間企業全体の成長率は 4 月から加速し、昨年 12月以来の急激な伸びとなった。一方で製造業の生産高は過去3 か月間で最も緩やかな成長となった。
  • 民間企業らは、新型コロナ関連の制限措置がさらに緩和されたため、観光業を筆頭とするサービス業の事業活動が活発になったと報告した。しかし、中国のロックダウン措置再導入や、対ロシアの経済制裁によりサプライチェーンの混乱がさらに悪化し、ますます多くの原材料不足や納期の長期化に関する報告が寄せられた。
  • こうした状況を受けて、民間企業の間ではさらにインフレ圧力が強まった。企業からは、購買価格と販売価格ともに調査史上最大の上昇率を記録した。さらに、インフレと供給問題の不透明感から企業の景況感は悪化し、2021 年 8 月以来の低
    水準となった。

Japan Composite PMI - April 2022 Data - 2013-2021 Historical - May Forecast - Calendar (tradingeconomics.com)

 

●まだ1か月古い(4月)分のデータも混在していますが、ユーロ圏もドイツも景況感としては世界の中でかなり強い方ということになっています。しんがりには世界の2大不安の震源地であるロシアと中国が並んでいます。

Composite PMI - Countries - List (tradingeconomics.com)