日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

消費

20221130 ドイツ11月雇用統計、さすがに少し緩み始めてきました

つい先ほどドイツ連邦雇用庁から11月分のドイツ雇用統計が発表されました。 市場が最も注目する季節調整後失業者数前月比増減は、市場予想比気持ち弱目の内容です(+17千人)。 但し、失業者数についてはウクライナ難民カウント(約18万人)の特殊要因が大き…

20221130 ドイツ就業者数堅調

失業者数より1か月遅れで出てくる就業者数の10月分が先ほど発表され、 前月比+0.1%/+32千人、現在計45.7百万人となっていました。 足元半年はマイナス成長が避けられそうもないドイツ経済ではありますが、コロナ直後の時(下図V字部分)と違って、今回は雇…

20221127 ドイツのクルーズ船需要は夏場にコロナ前の水準まで戻っています

サービス業の統計が出るまでにはかなり時間がかかるので、直近7月、8月分までしかデータが出ていませんが、下図の通り、ドイツのクルーズ旅客売上はコロナ前を上回る水準にまで回復しています。かなりの部分がコロナで2年分たまったリベンジ旅行だと思われま…

20221121 ドイツの個人消費が予想以上に底堅い3つの理由

ドイツのビジネスセンチメントが他国比で見てもとにかく弱いので… https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/5af7a5b18575408084fc567ad6dfa522 毎週初、こちら↓のドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)を定点観測しているわけですが.... Wöchent…

20221120 小さな子供用にお勧めのドイツ的クリスマスプレゼント

当地でもこんな感じのクリスマス市が立ち始め、いよいよクリスマスに向けてカウントダウンとなっています。 Weihnachtsmarkt 2022 in Düsseldorf - Tipps für den Besuch (rp-online.de) コロナ後久しぶりの「普通のクリスマス」に向けて、子供へのプレゼン…

20221117 ドイツ家計のインフレ対策の特徴

米独英仏の4カ国は、日本と比べるとはるかに高いインフレに苦しんでいます。 www.ft.com ボストンコンサルティングがこの4カ国を対象に、各国の家計がインフレに対応して何を節約しているかということについてアンケート調査を実施しました。 その結果を見る…

20221112 インバウンド復活はバース(元阪神)5人力

<Japanese> 日本のコロナ水際対策が先月から大幅に緩和され、インバウンド需要が激増しています。折からの円安のため、日本人の私の目から見ても、日本への旅行は大変魅力的に見えます。昔よく通ったラーメン店、中野の「青葉本店」で最もおすすめの「特製中華そば」93</japanese>…

20221110 ドイツ5賢人委員会のECB金融政策/ドイツ財政政策コメント

昨日発表されたドイツ5賢人委員会の経済分析のエッセンスはこちらで速報させて頂きましたが 20221109 ドイツ5賢人委員会の経済分析エッセンス - 日独経済日記 (hatenablog.com) 金融/財政政策に対するコメント部分にとても良いデータを発見したので以下ご紹…

20221110 独ホテル宿泊件数、8-9月とコロナ前水準回復

今朝のドイツ連邦統計局の発表によると、ドイツの夏場の国内宿泊件数はほぼコロナ前の水準に戻っています。 Tourismus in Deutschland im September 2022: 4,7 % mehr Übernachtungen als im Vorjahresmonat - Statistisches Bundesamt (destatis.de) 赤線が…

20221105 それでもやっぱりピンチはチャンス

<Japanese> 戦争、地球温暖化、人権抑圧、難民、貧困、インフレ、リセッション、ナショナリズム・ポピュリズム台頭などなど、ネガティブかつヘヴィな問題が今日の私たちの目の前に積み上がっています。解決に向けた妙案がない上、いずれも気持ちが暗くなるものばかりで</japanese>…

20221031 ドイツ9月小売売上健闘

先ほどドイツ連邦統計局から9月小売売上の発表があり、 前年同月比 実質▲0.9% 名目+9.9% 前月比 実質+0.9% 名目+1.8% 年初来累 実質+1.4% 名目+9.1% となっていました。 9月は景気悪化不安台頭で前月比マイナスが覚悟されていましたので、予想外の健闘といえ…

20221030 ドイツ人気ブランドランキング(2022年)〜マキタ大健闘

独ハンデルスブラット紙が毎年公表している「2022年ブランドランキング」 https://www.handelsblatt.com/unternehmen/handel-konsumgueter/umfrage-diese-marken-konnten-2022-besonders-punkten/28763476.html をチェックしたところ、日本のマキタ社が大健…

20221027 ドイツエネルギー小売価格チェック

ガスを中心にエネルギー価格が少し下がってきましたので、ドイツCPIの中の各エネルギー項目(全体で約1割)の現時点でのレベル感を以下一通り確認しておきます。 ①電力(CPIの中でのウェート:2.6%) 年初来+4% 前年同期比+55% 下図はあくまで新規契約時の…

20221027 ドイツの家庭におけるスマート機器類普及状況

https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2022/10/PD22_455_63.html つい先ほど発表された統計によると、 ドイツ一般家庭における今年初時点でのスマート機器類保有状況は上図/以下のようになっているようです。 月収2.5〜18千EUR 同2500以下 …

20221026 ドイツifoとPMI(10月)のポイント

●ifo景況指数 今月(10月)はほぼ横ばいでしたが、全体にかなりの低水準で、 後述のPMIと概ね整合的です。ドイツの第4四半期GDP(来年1月末頃発表)は マイナスの深さがどの程度になるか問題になりそうです。 全業種で同様に悪化。但しその時点でのGDPと相関…

20221026 ドイツ2度強暖冬で家庭ガス3割節約中

ガス不足がとても心配なドイツではありますが、幸い今のところ平年より2〜3度ほど気温が高く、そのような状態が少なくとも今月いっぱいは続く見込みです。 https://www.wetterkontor.de/de/wetter/deutschland/monatswerte-temperatur.asp https://www.wette…

20221021 ドイツ企業ブランドトップ10の変遷

英調査会社 Brand Finance のランキングによると、ドイツのブランドトップ10は以下の通りとなっています。 1位メルセデツ・ベンツ、2位ドイツ・テレコム、3位アリアンツ、4位フォルクスワーゲンなど、いずれもグローバルベースで名の通った企業ばかりですが…

20221013 ドイツ9月CPI確報:総合年 +10.0%、ex food&energy +4.6%

ドイツ9月分CPI確報が先ほどドイツ連邦統計局から発表されました。既に英語版が出ているのでそちらでご紹介させていただきます。 www.destatis.de ●ヘッドライン:ドイツ国内基準でCPI1000年同月比+10.0%、HICPだと+10.9%。 ●川上(輸入物価、生産者物価)か…

20221012 ドイツ政府経済予測:来年GDP▲0.4%、インフレ+7.0%

先ほどドイツ経済省から、ドイツ政府公式経済予測が発表されましたので、その主要計数を抽出しておきます。 2021年 2022年 2023年 2024年 実質GDP +2.6% +1.4% ▲0.4% +2.3% インフレ +3.1% +8.0% +7.0% +2.4% 失業率 +3.3% +2.8% +3.0% +3.0% 一人あたり賃金…

20221007 新ワニの口

日本の歳入/歳出ギャップを「ワニの口」と表現することがよくありますが、最近ドイツでもそれにそっくりなものを見つけました(ドイツで実際にそのように表現されているわけではなく、あくまで私見です)。 8月ドイツ小売売上高統計が今朝発表されたのですが…

20220917 3年ぶりのオクトーバーフェスト開幕

本日(9月17日)から10月3日までの間、毎回6百万人の来訪客が70百万リットルのビールを飲みつくす世界最大のビール祭り「オクトーバーフェスト」がドイツミュンヘンで開催されています。 独特の民族衣装と音楽で盛り上がりながら、皆ここぞとばかりに驚くほ…

20220914 食品の川上インフレ圧力高止まり

先ほどのドイツ連邦統計局発表によると、7月の農産品の生産者物価(CPI食品部分~ウェート1割程度~および農家所得の先行指標)は、以下の通り高どまっていました。 前年同月比+33.4%(前月比▲0.8%) うち植物系(野菜、果物など:青) +25.8% ~ピークア…

20220913 「冬は自宅の暖房を止めて南国に避難」が流行するかも

ドイツにおける各種エネルギー「小売」価格は、下図のように急騰しており、払いたくても払えない人が続出しかねない状況になっています。 2月24日のロシアによるウクライナ侵攻開始時点と比べると、ガス代は3倍、電気代は5割増しとなっています。 https://ww…

20220909 ドイツの観光、7月までは好調維持

今朝のドイツ連邦統計局の発表によると、ドイツの国内宿泊件数(∝観光)は、台頭するリセッション懸念とは裏腹に、少なくとも7月までは好調を維持できていたようです。 赤線が今年の走り、青線はコロナ前の2019年分、黒が2021年、橙が2020年です。 https://w…

20220906 ドイツサービス業売上、6月までは堅調

先ほどリリースされたドイツ連邦統計局の数字を見ると、6月のドイツサービス業(除く金融)の売上高は、前年同月比で名目+14.5%、実質+9.9%(下図黒線)と好調を維持していました。 特に鉄道輸送(赤)、メッセなどのイベント類(茶)が、それぞれ実質+98.…

20220901 解釈が難しい7月ドイツ小売売上

先ほどドイツ連邦統計局より、7月小売売上高の発表がありました。 7月(単月) 年初来累計(1~7月) <共に前年同期比> 実質(濃い赤): ▲2.6% ▲0.1% 名目(薄い赤): +6.1% +6.4% Einzelhandelsumsatz im Juli 2022 um 1,9 % höher als im Vormonat…

20220831 最近の失業者/失業率増は、ドイツ経済にむしろポジティブ材料

つい先ほどドイツ連邦雇用庁から8月分のドイツ雇用統計が発表されました。 以下のような失業率のグラフだけ見て「リセッション入りでドイツでも失業者急増が始まった」と勘違いしてしまう人がいるかもしれないので念のため解説しておきます。 Germany Unempl…

20220831 家賃のウェートが高いおかげで、インフレのダメージが緩和されてました

ドイツ連邦統計局のWEBサイトの中に「あなたの家計の実際のインフレ率を計算してみよう」というコーナー(下添リンク)があるので、使ってみたところ、下図の赤線のような推移がはじき出されました(青線が統計/標準世帯のウェートベース)。 今年7月の断面…

20220824 コロナ後の過剰貯蓄はインフレでほぼ枯渇

こちらのifo研の分析によるとhttps://www.ifo.de/DocDL/sd-2022-digital-04-wollmershaeuser-inflation-ueberschussersparnis.pdf コロナ勃発以来蓄積されていた過剰貯蓄(推計2,000億ユーロ)は、インフレのせいで予想以上に早く食い尽くされつつあり、リベ…

20220813 ビニールレコードの密かなカムバックについて

私が知らなかっただけかもしれませんが、ドイツのあちこち(総合電器店や本屋の片隅)で、ビニールレコードのコーナーが復活しているようです。 こちらの写真は、今日2年半ぶりくらいに訪れたデュッセルドルフ市内の大規模書店の一角のものです。 私が初めて…