日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

地政学リスク

20240214 ドイツの貿易相手国トップ、米国が中国に肉薄

<2023年 ドイツ貿易相手国 ランキング> https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/02/PD24_056_51.html 今朝ドイツ連邦統計局から発表された2023年国別貿易統計速報(上リンク)を集計したところ、ドイツと中国の間の貿易額(輸出+輸入…

20240210 週末のBloombergより

www.youtube.com ◆FEDは市場の早期利下げ期待を、5月利下げ開始(確率半々)年内5回、まで一段と push back。◆一方で、利上げのリスクはないのでイールドをロックインしたい債券押し目買いがしつこく入る展開。大量の社債発行に対する投資家の需要もしっか…

20240209 ドイツの対中対米貿易額が肉薄!米国が首位になる可能性高まる

上表は2022年のドイツの貿易パートナーランキング表で、貿易額(輸出入合計)と貿易赤字額で中国がトップとなっています(貿易相手国として中国は8年連続首位)。米国は貿易量で2位、貿易黒字でトップです。 こちらは2021年のデータですが、オランダが貿易額…

20240206 OECD世界経済予測:ドイツ成長率下方修正

https://www.oecd.org/economic-outlook/february-2024/ https://www.oecd-ilibrary.org/sites/0fd73462-en/index.html?itemId=/content/publication/0fd73462-en 昨日発表されたOECD世界経済予測では、ドイツのGDP/CPI(2023/24/25年)は、 実質GDP: ▲0.1…

20240127 週末のBloombergより

週末のこの二つ(Real YieldとWall Street Week)はマーケット理解と英語学習の2面から見て最良の素材だと思っています。youtu.be ◆景気は予想以上に強く、インフレは予想以上に低下しているので、過去に例のない予想外のソフトランディング(ゴルディロック…

20240126 トランプ再選可能性の高まりに対するハンデルスブラットの報道ぶり

「3年前の2021年1月20日にドナルド・トランプ氏がホワイトハウスから姿を消したときのあの(ドイツ人の)安堵感を覚えているだろうか。」という書きぶりに表現されている通り、ドイツ(と欧州)にとって、ウクライナ支援を打ち切り、NATOから脱退し、脱炭素…

20240124 対中依存問題についてのドイツ連銀分析

https://www.bundesbank.de/resource/blob/844970/a5a1f26d59d1e1ef7c4f33786fada36b/mL/2024-01-china-data.pdf 本日発表されたドイツ連銀月報の中に、ドイツ経済の対中依存問題についての分析レポートが出ていましたので、そのポイントをご紹介します。 中…

20240120 週末のBloombergより

youtu.be ◆市場の利下げ織り込みは、3月40%、年内5.3回まで大きく後退。 ◆今週は米大手銀・地銀が起債ラッシュ。S&P500は新高値更新。 ◆景気や雇用はまだまだ強いが、インフレは相応に落ち着いており、ペイントレードは10年金利(足元4.13%とまあまあの高利…

20240117 アイオワでのトランプ圧勝についてのドイツメディアの報道ぶり

オンライン世論調査Civeyの直近調査結果(上図)によると、ドイツ人の7割(確実36.2%+どちらかというと34.7%)がトランプ再選を覚悟しています。 極寒の中で実施されたアイオワ州共和党予備選では、トランプ氏が51%を獲得して圧勝し、フロリダ州知事デサ…

20240114 台湾総統選結果に対するドイツメディアの報道ぶり

台湾総統選で民進党の頼清徳氏が勝利したことについてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。 台湾と中国の関係が選挙戦の主要な争点となっていたが、頼氏の勝利は、対中国での緊張継続/悪化(軍事的威嚇、外交的孤立推進、各種制裁発動など)、台湾…

20240112 週末のBloombergより

youtu.be ◆3/20のFOMCまでCPIはあと2つあるが、12月のCPIはstickyで早期利下げの背中を押さない内容だった。 ◆それでも市場は3月利下げ開始確率8割、年内計7回近くを織り込んでおり、行き過ぎとの見方も根強い。 ◆一方で、年前半開始でなくても、利下げは一…

20240101 ショルツ首相年頭演説のエッセンス

www.bundeskanzler.de (新年おめでとうございます。今年も日独経済日記をどうぞよろしくお願いします) https://note.com/nobuo_date 昨夜放送された「Neujahrsansprache:年頭演説」(約7分、上記リンク)で、ショルツ首相はドイツ国民に対して、ドイツは…

20231226 ドイツ大統領XMAS講話「自分自身を信じましょう」

https://www.bundespraesident.de/SharedDocs/Reden/DE/Frank-Walter-Steinmeier/Reden/2023/12/231225-Weihnachtsansprache.html 毎年恒例のクリスマス大統領スピーチ(昨夜20:10放送、全文リンク下添)のポイントをまとめておきます(わかりやすくなるよ…

20231224 独経済専門誌(Wiwo)の2024年ドイツ経済展望

ドイツ経済専門誌「Wirtschaftwoche」(ヴィルトシャフト・ヴォッヘ)の2024年経済展望特集部分のエッセンスをご紹介します。 https://www.wiwo.de/my/politik/konjunktur/konjunkturausblick-das-sind-2024-die-groessten-risiken-und-chancen-fuer-die-deu…

20231223 ドイツと日本、過度の悲観も楽観も禁物

note.com <Japanse> ドイツでは去年の今頃、天然ガスの価格が高騰しただけでなく、そもそも手に入らなくなって、冬が越せないのではないかという不安でいっぱいでした。その後、ショルツ政権の奮闘でエネルギー危機は何とか乗り切れたものの、国民生活をまんべんなく</japanse>…

20231219 独Focus/英Economist誌「2024年の世界」のエッセンス

https://pdf.focus.de/Die-Welt-in-2024/Die-Welt-in-2024-01-2023 毎年この時期になると、このシリーズをしっかり読んだ上で、来る年に備えることにしているのですが、今回号の中から来年のドイツにとって私なりに最も重要と思った5つのポイントを以下ご紹…

20231217 イスラエル軍による人質誤射についてのドイツメディアの報道ぶり

イスラエル人の人質3人がガザ地区でイスラエル兵により誤まって射殺された件についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。 ハマスの手から逃れていたイスラエル人人質3人が誤って殺害された。 若者たちは白い布を縛り付けた棒(白旗)を使って自分…

20231212 ドイツのウクライナ支援について

https://www.ifw-kiel.de/publications/news/ukraine-support-tracker-new-aid-drops-to-lowest-level-since-january-2022/ ドイツ5大経済研究所の一角であるIfW(キール研)の「ウクライナ支援トラッカ-」によると、2022年1月24日から2023年10月31日までの…

20231210 雑誌の表紙で振り返る今年(2023年)のドイツ

https://www.ikiosk.de/shop?lang=de 私は日本にいた頃から、ドイツの世相をざっくり掴むために、上記のiKioskの新聞や雑誌の表紙を毎日ざっとチェックするようにしています(特にドイツ語学習者にはオススメの方法です)。 今週になって以下のような「今年…

20231203 イスラエルとハマスの戦闘再開についてのドイツメディアの報道ぶり

ガザ地区での停戦終了/戦闘再開についてのドイツメディアの論調は以下の通りです。 ハマス殲滅と人質解放の間には元々根本的な矛盾があり、停戦終了は時間の問題だった。 双方のどちらかが何かを諦めて妥協に動く気配は全く感じられない。 一つだけ確実なの…

20231123 ドイツ連銀金融安定報告書のエッセンス

https://www.bundesbank.de/de/aufgaben/themen/finanzstabilitaetsbericht-918354 ドイツ連銀から今年分の金融安定報告書が発表され、有益なデータも見せてくれていましたので、そのエッセンスをまとめておきます。 今局面の特徴は、金利急上昇と不透明性の…

20231117 ドイツが恐れるトランプ再登板リスク

米大統領選はまだ1年先(かつ実際の就任は2025年1月から)なので、具体的に深い議論が始まっているわけではありませんが、欧州、特にドイツが恐れているトランプ大統領再選の可能性について、最近ドイツのメディアで見受けられる論調を以下簡単に整理してお…

20231115 米中首脳会談についてのドイツメディアの報道ぶり

youtu.be アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせて本日予定されている、バイデン米大統領と習近平中国国家主席の首脳会談についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。 米中は、①民主主義/専制主義、②経済/テクノロジー、③国際政治(特…

20231105 中東戦争についてのドイツメディアの報道ぶり

ハマスとイスラエルの戦争(一番上の写真)およびその関連でドイツ国内でも沸き起こっている反ユダヤの動き(2番目の写真)などに対するドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。 10月7日はすでにイスラエルの9月11日と呼ばれている。犠牲者の数、残虐さ…

20231026 ドイツ政治家人気トップ10

ドイツ公共第二放送(ZDF)が毎月中旬頃に発表している「Politbarometer」の中の、トップ政治家10人の評価ランキングに私が補足情報を加えた一覧表がこちらです。お手元ご参考用に。 https://www.forschungsgruppe.de/Aktuelles/Politbarometer/ <関連のご…

20231025 10月ifo景況指数について

先ほど10月ifo景況指数が発表され、上図(+下図赤線)の通り、予想をやや上回る改善を見せていました。原油価格が大して上がっていないこともあり、中東情勢の悪影響は少なくとも今のところ限定的なようです。 https://www.ifo.de/fakten/2023-10-25/ifo-ges…

20231021 昨今の長期金利上昇に想う

note.com <Japanese> 米10年物国債利回りが5%に迫り、これによって投資妙味が相対的に低下した株価も下がり始めています。ちょうど昨年の今頃、米10年物国債利回りが4%をつけた時、私を含めて多くの投資家が、2%のインフレ+2%の実質成長に相当する「4%の利回りは</japanese>…

20231019 中東関連情勢についてのドイツメディアの報道ぶり

これ以上の中東情勢悪化を回避しようという最近の各種外交努力(ショルツ首相のイスラエル訪問など)や反ユダヤ主義の高まりに対する対応についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。 緊急を要する人道危機への対応がロケットの動きに比べてあまり…

20231017 ポーランド総選挙についてのドイツメディアの報道ぶり

反EU/ドイツのPiS政権が崩壊する可能性が濃厚となったポーランド総選挙結果についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。 カチンスキ氏が率いるPiS(法と正義)が35.4%を獲得して第1党となったが、議会での過半数を維持できなかった。 ドナルド・…

20231012 イスラエル支援についてのドイツメディアの報道ぶり

イスラエル/ハマス戦争やドイツ国内で多発しているパレスチナ連帯/反ユダヤデモなどに対するドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。 ドイツ国内で展開された多数の親パレスチナデモは、警察が調査した結果、反ユダヤ主義の扇動や暴力賛美が含まれるため…