日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

インフレ

20240116 ドイツマイナス成長についてのドイツメディアの報道ぶり

ドイツは昨年実質GDP成長率前年比▲0.3%と先進国唯一のマイナス成長に陥りました。この経済不振についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです(日本を抜いたかどうかなどという議論は皆無です)。 https://tradingeconomics.com/germany/full-year-gd…

20240112 週末のBloombergより

youtu.be ◆3/20のFOMCまでCPIはあと2つあるが、12月のCPIはstickyで早期利下げの背中を押さない内容だった。 ◆それでも市場は3月利下げ開始確率8割、年内計7回近くを織り込んでおり、行き過ぎとの見方も根強い。 ◆一方で、年前半開始でなくても、利下げは一…

20240106 週末のBloombergより

youtu.be ◆インフレ(賃金強め)、景気弱目(ISM)、株も債券も(小幅ながら)マイナスと、多くの投資家にとってやや期待外れのスタート。 ◆しかし(本来歴史的にかなり珍しい)ソフトランディングとしてはなかなかいい線を行っているのかも。 ◆失業率が4%…

20240106 ドイツ鉄道ストへの備え

https://www.gdl.de/aktuelles/news/abschluss-mit-go-ahead-erreicht/ 本稿では、再びいつ実施されてもおかしくないドイツ鉄道の本格ストライキへの備え方について、その背景も含めてご説明します。 昨年後半から鉄道をストでマヒさせているのは、鉄道運転…

20240105 ドイツの気になるデータ5選(CPI、小売売上、インフル、洪水関連など)

①CPI(12月速報)~ドイツ国内基準で11月の+3.2%から12月は+3.7%に上昇。2023年通年で+5.9%の着地(予想比やや低め)。 前月比では非常に落ち着いた推移ながら、前年同期比では昨年の政策発動(エネルギー代補填)の反動が大きく出ている格好(ベーシス効…

20231231 週末のBloombergより

youtu.be ◆FEDが上手いこと米ソフトランディングの確率を高めて、S&P500は年初来24%も上昇した(長期金利は年初とほぼ同じ水準で着地)。◆賃金の高止まり、住宅の底打ち、パナマや紅海など安全保障系や気候変動対策系の構造的インフレ圧力、中立金利上昇の可…

20231230 来年を明るく照らしてみましょう

note.com <Japanse> 世の中を明るい光に照らしてみると、コロナが収まって旅行やコンサートを思う存分楽しめるようになり、失業者はほとんど増えず、(日本ではインフレ差引後の実質ベースでまだマイナスですが)賃金も増えています。米国の巨額財政出動(インフレ抑</japanse>…

20231229 ドイツ賃金交渉一覧

●現在交渉中/来年以降交渉開始の主なものを一覧表にしたのがこちらです。 (対象人数は少ないですが)鉄道運転士の労使交渉は、ストを繰り返しつつ前進感なく難航し続けており、年明けの鉄道麻痺リスクが心配されています。 来年注目すべき大口ラウンドは、9…

20231228 ドイツ経済グラフ集

こちらのドイツ経済省の月次レポートの主要グラフを私のコメント付きでご紹介します。 https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Infografiken/Schlaglichter-der-Wirtschaftspolitik/2024/01/grafiken-und-tabellen-download.pdf?__blob=publicationFile&v=6 ドイ…

20231224 独経済専門誌(Wiwo)の2024年ドイツ経済展望

ドイツ経済専門誌「Wirtschaftwoche」(ヴィルトシャフト・ヴォッヘ)の2024年経済展望特集部分のエッセンスをご紹介します。 https://www.wiwo.de/my/politik/konjunktur/konjunkturausblick-das-sind-2024-die-groessten-risiken-und-chancen-fuer-die-deu…

20231223 ドイツと日本、過度の悲観も楽観も禁物

note.com <Japanse> ドイツでは去年の今頃、天然ガスの価格が高騰しただけでなく、そもそも手に入らなくなって、冬が越せないのではないかという不安でいっぱいでした。その後、ショルツ政権の奮闘でエネルギー危機は何とか乗り切れたものの、国民生活をまんべんなく</japanse>…

20231223 週末のBloombergより

www.youtube.com <今週は年末特集号> ◆米国の今年最大のテーマは、何といってもインフレとそれに対するFEDの対応だった。今後は(下がるまで時間がかかると予めわかっていた)家賃の低下や、インフレ沈静済品目のすそ野拡大を待っている。 ◆これからは米財…

20231222 ドイツポテサラ指数前年比+4.7%

https://www.iwkoeln.de/presse/iw-nachrichten/christoph-schroeder-jan-wendt-weihnachtsessen-kostet-47-prozent-mehr.html つい先ほど、ドイツ経営者団体系シンクタンクIW(ケルン研)からなかなかユニークなデータが発表されたのでご紹介します。 その…

20231220 ドイツの気になるデータ5選(企業の値上げ意欲、生産計画など)

①ifo輸出期待~ドイツ経済頼みの綱である輸出の回復も、当面期待薄の模様。 比較的好調なのは食品、革製品。一方、印刷、衣料が不振。 https://www.ifo.de/fakten/2023-12-19/ifo-exporterwartungen-gefallen-dezember-2023 ②生産者物価~前月比▲0.5%/前年…

20231219 ドイツの気になるデータ5選(製造業受注残、ECB利下げ軌道など)

①製造業受注残~10月実質ベースで前月比▲0.6%/前年同月比▲5.9%と急減。コロナ後に積み上がったバックログ貯金は月商の6.9か月分まで低下。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/12/PD23_488_421.html ②ホテル・レストラン売上~10…

20231214 ドイツ4研究所の経済予測一覧

昨日から今日にかけて、ドイツの4つの有力経済研究所(ifo、ベルリン研、キール研、ケルン研)から2025年までの経済見通しが発表になりました(上図はキール研の実質GDP軌道:年次/四半期次)。 今年から3年間のGDPとインフレの予測値を以下の一覧表にまとめ…

20231213 日銀短観のユーロ円想定為替レート

https://www.boj.or.jp/statistics/tk/gaiyo/2021/tka2312.pdf ●本日発表された12月日銀短観のユーロ円想定為替レートは、通年148.80、下期149.03となっていました(ドル円は同139.35/139.97)。 ●足元のユーロ円は1ユーロ=157円台前半で、一時の16円台から…

20231207 ドイツの気になるデータ5選(PMI、製造業受注、鉱工業生産など)

①ドイツ総合PMI(11月)~底打ち感あるものの、まだGDP前期比マイナス圏内。 (上記とは別枠)建設セクターは全く下げ止まっていない。 https://www.pmi.spglobal.com/Public/Release/PressReleases ②グローバル総合PMI(11月)~ドイツGDPの50%強の規模が…

20231202 今年のドイツ流行語大賞、大胆(?)予測

https://gfds.de/gfds-gibt-am-8-dezember-die-woerter-des-jahres-bekannt-2/ note.com <Japanese> 今年の流行語大賞には、プロ野球で38年ぶり日本一に輝いた阪神岡田監督が優勝を表現したことで話題となった「A.R.E.(アレ)」が選ばれました。何かと暗いニュースが</japanese>…

20231129 ドイツの気になるデータ5選(OECD、HICP、ガス不足リスクなど)

①OECD経済予測のドイツ部分~違憲判決に伴う財政緊縮リスクをある程度勘案した上で、GDPは今年▲0.1%、来年+0.6%、再来年+1.2%/HICPは今年+6.2%、来年+2.7%、再来年+2.1%の予想。 https://www.oecd-ilibrary.org/sites/7a5f73ce-en/1/3/2/19/index.htm…

20231129 ドイツの気になるデータ5選(賃金、消費者信頼感、雇用など)

①実質賃金(Q3)~前年比+0.6%とQ2の+0.1%から上昇。但しこの程度ではまだ個人消費復活には弱い。名目賃金(赤)+6.3%と強いが、インフレ(黒)+5.7%にほとんど食われてしまっている。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/11/PD…

20231117 ドイツの気になるデータ5選(製造業受注残、ホテル・レストラン売上など)

①製造業受注残高(9月、実質ベース)~前月比▲0.8%/前年同月比▲5.4%と減少続くも、減少の7.0か月分と高水準は維持されている(大幅な生産調整はされにくい)。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/11/PD23_446_421.html ②住宅着工…

20231116 EU委員会秋季経済予測のドイツ部分

昨日EU委員会から秋の経済予測が発表されていますので、そのドイツ部分のエッセンスをご紹介します。 GDPは、今年▲0.3%(前回9月比+0.1%上方修正)、来年+0.8%(▲0.3%下方修正)、再来年+1.2%。 インフレと高金利により消費が低迷。但し、来年以降はイ…

20231115 ドイツの気になるデータ5選(特許、川上物価など)

①上:DAX40銘柄企業の Maturity Wall (社債返済期限)~2024/26の3年間に2,155億EUR(約35兆円相当)もの期限到来。 ②下:ユーロ圏投資適格社債の平均クーポン~足元2.06%(低金利のうちにうまく調達している感じ)。 ③調達資材逼迫状況(ifo調査)~10月…

20231113 ドイツの気になるデータ5選(ECB金融政策、購買力平価など)

①投資家の景況感(ZEWとSentix)~中東戦争勃発にもかかわらず「そろそろ底打ちしてくれるかも」という、そこはかとない期待のこもった動き。 https://www.sentix.de/ https://www.zew.de/ ②ECB金融政策軌道(1mEURIBORフォワード金利)~利上げは打ち止めで…

20231111 円株堅調がひょっとすると示唆するもの

note.com <Japanese> 先週末(11月10日)時点の世界の主要株価の年初来パフォーマンスを見ると、日経平均が+25%、TOPIXが+24%で、27指数中それぞれ2位、3位と大健闘しています(トップはナスダックの+32%、ドイツのDAXは+9%で9位)。2013年初来の10年強の上昇率で</japanese>…

20231108 ドイツ五賢人年次経済予測のエッセンス

https://www.sachverstaendigenrat-wirtschaft.de/fileadmin/dateiablage/gutachten/jg202324/JG202324_Gesamtausgabe.pdf 先ほどドイツ5賢人会(経済諮問委員会)から年次経済予測が発表されました。現時点で最も権威ある(予算や計画などの拠り所とするの…

20231108 ドイツの気になるデータ5選(CPI、世論調査など)

①消費者物価指数(10月)~前年比+3.8%まで下がってきたが、ベーシス効果でエネルギーが前年比▲3.2%と押し下げていてくれたおかげ(今後この効果は激減)。コア+4.3%、食品+6.1%と生活実感としてはまだまだ厳しい。 https://www.destatis.de/DE/Presse/P…

20231102 ドイツの気になるデータ5選(日本人ブンデスリーガ一覧など)

①日本人ブンデスリーガ(1・2部)一覧~観戦のお供に。 https://www.bundesliga.com/de/bundesliga/spieler https://www.bundesliga.com/de/2bundesliga/spieler ②就業者数(9月まで)~季調後前月比で概ねプラス継続中。 https://www.destatis.de/DE/Presse…

20231027 ドイツの家庭用エネルギー価格再確認

https://www.zeit.de/wirtschaft/energiemonitor-deutschland-gaspreis-spritpreis-energieversorgung ドイツにおける各種エネルギーの小売価格を日次ベースでモニタリングするには、上のZEIT紙特設サイトが最も便利なのですが、今朝ドイツ連邦統計局(DESTA…